国土交通省は5日、東洋ゴム工業(大阪市)が硬質ウレタンを使用した断熱パネルの国交相認定を受けるための不燃性能試験で不正をし、本来より燃えやすい建材が、店舗や工場、学校など176棟の間仕切りや外壁に使われていると発表した。
東洋ゴム工業によると、1992年以降の試験から不正を始め、約15年間、部長クラスの担当者で引き継がれていた。ニチアス(東京)の耐火材性能偽装問題が発覚した後の社内調査で明らかになったという。
部長クラスは昨年3月、社内試験で一部の建材の不燃性能が足りないと再確認したが、経営陣に報告しなかった。ニチアスに続く不正発覚で、建材業界全体のモラルが問われそうだ。
学校で不正建材が使われているのは宮城県利府町の利府高校のクラブ棟外壁と、富山県高岡市の福岡中学校の調理場内壁。
国交省は5日、すべての認定を取り消した。