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原爆犠牲者への鎮魂の調べ/来月15日

2007年11月05日

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オーケストラと共に「レクイエム」を練習する広島大学合唱団の団員たち=広島市中区で

 今年で創立50周年を迎えた広島大学合唱団が12月15日、広島市中区のALSOKホールで開く記念の第50回演奏会でオーケストラと初共演し、原爆犠牲者の冥福を祈るレクイエム(鎮魂歌)に挑む。迫力あるオーケストラの音に負けないようOBやOGも応援に加わり、総勢約110人で本番に臨む団長の黒川洋子さん(21)=同大学教育学部3年=は「亡くなった人の追悼と平和への思いを込めて歌いたい」と意気込んでいる。(秋山千佳)

 同合唱団は広島大の学生サークルとして57年に創立。約400人の卒業生がおり、現在は約40人の団員が所属する。

 節目となる今回の演奏会にあたって、約1年前、団員から「オーケストラと一緒に歌ってみたい」と声が上がり、広島市を中心に活動するプロオーケストラ「コジマ・ムジカ・コレギア」と共演することになった。67年から同合唱団の常任指揮者を務める西尾優さんが「地元で原爆犠牲者たちのために祈ることに意義がある」とモーツァルトとフォーレの「レクイエム」を題目に選んだ。

 一方、オーケストラの迫力に少人数で声量が負けてしまうことを心配する声もあった。団員たちが4月中旬からOBやOGにレクイエムへの参加を呼びかける手紙を出したところ、現役生より多い約70人が全国から駆けつけることに。ソリストの一人も、OGでソプラノ歌手として活躍する松永知子さんが務めることになった。

 4日には、広島市中区の安田女子中学・高校内の安田リヨウ記念館で、公開練習があった。オーケストラと合わせるのはこれが2度目だったが、練習を聴きにきた同高校2年で音楽部の吉村正恵さん(16)は「指揮者の指示に機敏に反応し、合唱がどんどん良くなるのが分かってすばらしかった」と話していた。

 演奏会は午後5時半から。入場料500円(中学生以下無料)。レクイエムのほか、日本の合唱組曲も歌う。問い合わせは、同合唱団の川崎さん(080・6314・3785)へ。

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