
ツタンカーメンのミイラの素顔を初公開 エジプト
2007.11.05
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10:48
JST
- CNN/AP
エジプト・ルクソール──黄金のマスクで知られる古代エジプト王、ツタンカーメンのミイラの素顔が、発見から85年を迎えた4日、記者団に公開された。考古学者らはミイラを地下墳墓の石棺から取り出して顔の部分の布を外し、温度と湿度を厳重に管理した透明樹脂ケースの中に展示した。
関係者によると、ミイラは損傷が激しかったため、約2年前にCTスキャンによる調査を経たうえで修復作業が行われた。発見者である英考古学者ハワード・カーターが黄金のマスクを取り外す際に、ミイラを18個に分断したことが損傷原因とみられるが、大勢の観光客が地下墳墓を訪れるようになり、内部の湿度や気温が変化したことも影響したとされる。
3000年以上前に若くしてこの世を去ったツタンカーメンの死因をめぐっては様々な説があるが、CTスキャン検査の結果、他殺説が否定された。古代エジプトのミイラについてこうした検査が行われたのは初めて。
ツタンカーメンの関連展示はこれまで米国4都市で行われ、400万人近い来場者を集めている。エジプト観光当局はツタンカーメンのミイラの展示で、海外からの旅行客誘致に弾みをつけたい考えだ。ミイラは5日から一般公開されるが、博物館に搬送せず、地下墳墓の中で無期限に展示される。