ITかかし、無人駅を見守る2007年11月05日 田園地帯の無人駅に、「ITかかし」がたたずむ。とぼけた姿ながら、全地球測位システム(GPS)機能を応用して列車の運行状況を表示し、Webカメラも搭載された最新技術の集合体だ。田んぼではなく、駅の見守り役になるため、研究が進められている。(アサヒ・コム編集部)
「ITかかし」は、オフィス・情報機器商社の内田洋行とJR東日本、ヨシモトポール(東京都千代田区)が共同で考案した。全長約3メートル、最大直径45センチ。一見、大きなバス停のようだが、スピーカーをあえて二つ付けて腕を表現、最上部のライトにかぶせた反射板を笠に見立てている。 列車が前の駅を通過したことを、音声と電光掲示板で知らせてくれる。Webカメラを使えば、ネット経由でホームの様子や駅周辺の風景を見ることもできる。監視という雰囲気を出さないよう、デザインを工夫したという。 千葉県木更津市のJR久留里線・馬来田駅で今年5月、動作を確認する試験をした。今後は、カメラの映像に企業広告を載せたり、電光掲示板に駅周辺の見どころやイベント情報などを載せたりすることも考えている。 こだわったのは費用。経費削減の結果生まれた無人駅なので、なるべく安くなるように知恵を絞った。携帯電話を運転席に設置、かかしの中に収めたノートパソコンで位置情報を受信する仕組みだ。1分単位で列車が往来する首都圏だと市販のパソコンでは処理しきれないが、1時間に1、2本程度の無人駅なら十分だった。1体約200万円におさまった。 内田洋行の若杉浩一さんは「人、物、情報が都会に流れる時代。情報技術を逆手にとった『ITかかし』で、無人駅ににぎわいが戻れば」と話した。 現時点で実用化は未定。JR東日本などでは、設置後の管理体制を整備しながら、検討を進めていくという。 PR情報コミミ口コミ
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