映画：「ウリハッキョ」上映会　金監督、拉致問題などで観客と意見交換　／新潟

　北海道朝鮮初中高級学校（札幌市）に３年間住み込み、撮影した映像をまとめたドキュメンタリー映画「ウリハッキョ」（０６年、韓国）が３日、新潟市中央区上所２の新潟ユニゾンプラザで上映された。韓国人の金明俊（キムミョンジュン）監督が会場を訪れ、観客と意見交換も行われた。
　金監督は０２年から学生寮で寝食を共にし、在日朝鮮人の子供たちを映した。生徒たちが万景峰（マンギョンボン）号に乗って修学旅行先の北朝鮮から帰国するくだりでは、新潟港で入港反対のシュプレヒコールをする日本人の姿が映るシーンもあった。
　上映後の意見交換では「新潟には拉致などの大きな問題があり、私には北朝鮮に偏見がある」と率直な気持ちをぶつける観客の女性も。金監督は「拉致問題を朝鮮学校の子供にぶつけるのは違うと思う。子供たちは植民地支配の影響から日本で暮らさざるを得ない。互いに思いやりを持って交流してほしい」と答えた。
　映画を見た新潟市中央区の会社員、野沢伸子さん（３５）は「朝鮮学校の子供に罪はないし、切り離して考えたい」と話した。【黒田阿紗子】

１１月４日朝刊