高級タマネギも…中国産を「淡路島産」と偽装
11/01 18:39更新
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中国産タマネギが、高級ブランド野菜の淡路島(兵庫県)産タマネギとして産地偽装され、全国に大量に出荷されていることが1日、関係者の証言で明らかになった。偽装の過程では、中国産を淡路島に運び込み、現地産の箱などに詰め替えて産地偽装する業者が暗躍しているという。中国産の農産物は残留農薬の問題も取りざたされているだけに、消費者の不安は増幅しそうだ。
「箱詰め作業だけで中国産がいとも簡単に淡路島産に化けてしまった。ブランド物のタマネギも、牛肉や米の偽装と同じなんだなと思った」
中国産タマネギを淡路島産の箱に詰め替える作業場まで運んだ運送業者の男性は、産地偽装の実態をこう証言する。
産地偽装は地元では半ば公然の事実で、南あわじ市の男性も「皆が知っている。観光客用の店などは中国産が疑われるので、遊びにきた友人らには普通の八百屋さんやスーパーをすすめている」という。
地元の農業団体「JAあわじ島」の関係者は、「安価な中国産タマネギを扱う業者が、淡路島産と偽装して全国に出荷している。それが大きな差益を生む『ヤミ特産物』として定着している」と実情を打ち明ける。
淡路島産タマネギの出荷量は年間約8万5000トン(2005年度)で、うち地元JAを通じて出荷されるのは年間約6万5000トン。産地偽装タマネギの出荷量について、JA関係者は「偽装タマネギはJAを介さずに生産農家から直接出荷される分に紛れ込んでいるとみられる。詳しい実態は不明だが、実感としてはJAの扱い量(年間約6万7000トン)の2割増から倍近い産地偽装品が出回っている」と指摘。だとすれば、最大13万トン超のニセ淡路島産タマネギが全国に流通していることになる。
運送業者らによると、中国産タマネギは中国から船で運ばれ、神戸港などからコンテナで水揚げ。深夜にトラックで淡路島にある大型倉庫に搬送して、淡路島産の袋や箱に詰め替える作業が行われ、全国各地に出荷されるという。タマネギの輸入や箱詰め、出荷の過程には、複数の業者が介在しているという。
関係者によると、ここ数年、日本の商社などが淡路島産タマネギの主流品種を中国・山東省などに持ち込み、栽培技術を指導。収穫したタマネギの甘みを強める淡路島独特の「つり小屋」と呼ばれる乾燥法も伝授しており、「(本物と)区別できないほど(の出来映え位)になっている」。
業者によると、産地偽装タマネギの日本上陸は、国産が不作だった1994年ごろから始まったという。農水省調べでは、同年度、外国産タマネギは約20万トン輸入された。その後、増え始め、05年度は約35万8000トンにまで増加。なかでも安価な中国産の伸びが群を抜き、05年度は約22万トンに達している。こうした中国産タマネギの一部が、淡路産の高級タマネギとして偽装出荷されていたことになる。
淡路島産は大玉10キロ当たり1200~1300円の卸値で出荷されるが、中国産はその数分の一という安さ。このため、国産の出荷量は落ち込んでいるが、淡路島産は、そのネームバリューのため値崩れが少なく、安価な中国で栽培した偽装タマネギを淡路島産として出荷すれば、業者にとっては利益が大きい。
淡路島産と偽装するには、地元の生産農家から出荷された形跡が必要なため、農家の関与も指摘されている。また、仕入れをめぐっては中国マフィアの介在もとりざたされているという。
このため、JAあわじ島は、02年7月に産地偽装タマネギの根絶を目指して決起集会「あわじ島玉葱ほんまもん大会」を開催。兵庫県玉葱協会も同年から「タマネギGメン」(原産地表示自主検査員)を置いて産地偽装タマネギの監視強化に乗り出していた。
だが、タマネギGメンは05年に解散。「結局、身内(農家)の犯罪を暴くことにもつながるため、当初から効果は疑問だった」(地元関係者)といい、産地偽装の撲滅には程遠い状態だ。
農業・食品ジャーナリストで「『食べてはいけない』の基礎知識」などの著書がある石堂徹生さんは、「農家も高齢化し、タマネギのように重くて利の薄い農産物を扱うのが辛いというのも原因だろう。消費者は味よりも見栄えや安さを重視するため、中国産の利幅の大きさを知ってしまえば偽装は定着してしまう。正直に国産をつくっている農家が駆逐されてしまうかも」と危惧(きぐ)する。
牛肉にはじまり、タマネギにまで発覚した産地偽装問題。消費・賞味期限の偽装も相次いでおり、食の安全をめぐる消費者の動揺は収まりそうにない。
◇
■JA「農協出荷分には絶対の自信」
02年に決起集会「あわじ島玉葱ほんまもん大会」を開催したJAあわじ島の盛野元・営農部長は1日、夕刊フジの取材に「農協出荷分には絶対の自信をもっているが、その他の分や加工品に混在する偽装分の量などの把握は不可能。農協出荷分をPRすることで“本物”の啓発を続けていくしかない」と話している。
◇
■ブランド野菜として知名度
明治初期に米国から入ってきた「泉州黄(イエローダンバース)」という品種を源流に、改良品種「淡路中甲高」が生まれ、現在は「ターザン」「もみじ3号」など5品種が主流。通常のタマネギより粒ぞろいで見栄えがよく、やわらかい食感と甘みの強さが特徴。貯蔵性にもすぐれている。ブランド野菜として高い知名度があり、料亭の会席料理など高級食材に用いられることも多い。
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