|
デュオヒルズつくば竹園
賃金不払い多発 県内建設業10年連続最多 公共事業減で疲弊 |
2007/11/04(日) 本紙朝刊 第1社会 A版 23頁 |
|
賃金の不払いトラブルが建設業界で多発している。茨城労働局のまとめによると、建設業界は少なくとも過去十年間連続で業種別のトップを続け、県内で毎年確認される全不払い件数の二割前後を占める。公共事業縮減などによる業界の疲弊を物語るが、背景には業界特有の事情も見え隠れする。
茨城労働局のまとめでは、県内労基署が〇六年中新たに把握した賃金(退職金含む)不払い件数は合わせて四百四十六件。業種別で、最も多いのは建設業の七十六件(17・0%)。次いで、接客娯楽業六十七件(15・0%)▽運輸交通業六十五件(14・6%)▽商業六十四件(14・3%)−の順。建設業は少なくとも一九九七年以降、業種別のトップを占めている。
今年九月、県南地区の建設業者が社員四人に対し、昨年八月から二カ月分の賃金計二百十九万円を支払わなかった疑いで書類送検された。
ただ、この業者は昨年十二月から事実上の倒産状態に陥っているという。
「賃金不払いに関する相談のほとんどは下請け業者の倒産が発端となっている」。県内約六千人の建設職人などが加入する全建総連茨城県建築連合会(事務局・水戸市河和田町)はこう解説する。
背景には、業界独特のピラミッド型の重層構造も絡むという。建設工事は元請け業者一社ですべての工事を賄うことはなく、元請けから下請け、下請けから孫請けへ…と次々に発注・請負を繰り返すシステム。
こうした中で、中間の下請け業者一社が倒産すると、孫請け以下の業者は途端に資金繰りに行き詰まり、賃金の支払いにも窮するようになる。「結局、被害を最も受けるのは最末端の中小零細業者」と同連合会。
県南地区のある中堅建設業者が倒産した場合は、二十社以上の業者が請負代金や賃金不払いに見舞われたという。
ただ、下請け・孫請けの中小零細業者が資金繰りに窮するのは、発注元の倒産に限らない。
仕事をしても、工事代金が発注元から約束通り支払われないトラブルが発端になっている場合も多い。
こうしたトラブルの背景にあるのは、業界独特の身内意識の「口約束」慣行だ。特に、中小・零細の末端業者の場合、工事を請け負う場合でも、あらかじめ契約書を取り交わすのはまれといわれる。
「業者間で今までは支払われていたからと、口約束だけで請け負ってしまうケースが多い。トラブルになっても証拠がないから、水掛け論になってしまう」(県土木部)。公共事業の縮減で建設業界全体が冷え込む中、こうしたトラブルは後を絶たないという。このため、県は、業界に対し「口約束」慣行を改めるよう呼び掛けを強めている。
関連記事を取得中...
|
<<戻 る
|
今日は何の日 11/4(日) |
【誕生日】
・名倉潤[ネプチューン](1968) ・NOKKO(歌手1963) ・西田敏行(俳優1947) ・森瑶子(作家1940) ・池内淳子(女優1933)
【過去の出来事】
▼2002年 自衛隊の情報通信システムデータ流出事件で元海上自衛官ら4人逮捕。 ▼1995年 イスラエルのラビン首相がパレスチナ自治拡大反対の青年に銃撃され、死亡。73歳。 ▼1980年 通算本塁打868本などの打撃記録を残した巨人の王貞治が引退表明。
【昨年の紙面から】
Null
|
|
「紙面キーワード」は、紙面で使用された“言葉”をカウントしたものです。 |
|