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盧大統領、本社と会見「日韓懸案、福田首相に期待」

2007年11月03日16時52分

 韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は2日、大統領府で朝日新聞の船橋洋一主筆と会見した。大統領は北朝鮮の非核化の措置と朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に変える協議を同時に進めることは可能との認識を示した上で、「韓国政府が北の核兵器を容認する可能性はない」と断言した。対日関係では日本国内の一部の論調が「韓国人に反感や不安感を持たせている」と指摘。歴史認識問題などの懸案を「福田首相が思慮深く扱うと期待している」と語った。来年2月までの任期中の訪日は断念する考えを示した。

 盧大統領が日本メディアと単独会見するのは04年12月以来。

 大統領は北朝鮮の核兵器保有を認めない理由として「国民が絶対に納得しない。北の軍事力自体にアレルギーを持っている」と説明した。

 北朝鮮がシリアに核技術を移転したとされる米国内の報道については「証拠を見ていないし、説明もない。不確実な問題や小さな障害で6者協議を破綻(はたん)させてはならない」と強調した。

 朝鮮戦争の平和協定の締結問題では「核廃棄には長い時間がかかる。お互い信頼できる水準になったときに終戦宣言を行い、平和体制の協議と核廃棄を同時に進めることができる」と説明。「北朝鮮の非核化が終戦宣言の前提」とする米国の主張と食い違いをみせた。

 対日関係では「日本が和解と協力を通じて国際社会で主導的な役割を果たす意思が見えれば、新たな謝罪がなくても韓国人の過去の歴史に対する反応は小さくなる」と語った。

 日中関係にも触れ、「お互いを警戒し、軍備を拡張する関係を変える努力をしていない。我々も不安で、過去の歴史に敏感に反応するしかない」と批判し、日中関係の改善が朝鮮半島の安定に寄与するとの考えを示した。

 日韓間の懸案として、靖国や歴史教科書、竹島(韓国名・独島)、海底地名問題を列挙。「福田首相は、大衆人気に迎合しないと期待している。訪日したいと思っていたが、(11月21日に東アジアサミットが開かれる)シンガポールで会うしかないようだ」と語った。

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