政府は30日、食育推進の施策実施状況をまとめた平成19年版の「食育白書」を閣議決定した。「食」を通じて規範意識を備えた人間形成を図るため、あいさつの習慣化など「家庭での食育の役割」の重要性を強調している。
白書は、食事の際に「いただきます」などのあいさつを「いつもする」と答えた子供は、中学生で44・9%、小学生は63・2%にとどまった。その上で「保護者自らも『食』についての意識を高め、健全な食生活に努めることが重要」として親の意識向上の必要性を指摘した。
政府は昨年3月に閣議決定した「食育推進基本計画」に沿って、22年度までに達成すべき目標として9つの項目で目標値を設定している。
このうち、0%にするとしている「朝食を食べない子供」は、17年度に小学5年生で「ほとんど食べない」と「食べないことがある」を合わせて18・2%(12年度19・7%)、中学2年生で24・7%(同25・1%)と減少傾向をみせた。
しかし、20代は33・1%(15年29・5%)、30代で27・0%(同23・0%)と増加し、目標値の「15%以下」からさらに遠ざかった。
また、「1人で食べる」子供の割合(17年度)は、朝食で小学生14・8%、中学生33・8%、夕食で小学生2・2%、中学生6・9%となった。夕食を「家族そろって食べる」と回答した子供のほうが、「いつもあいさつをする」割合や「すっきり目覚めた」割合が高くなり、「望ましい生活習慣を実践している傾向にある」と分析している。
白書は、17年7月に施行された「食育基本法」に基づいて取りまとめられ、毎年発行される。今回2回目。
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