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お手軽な家庭地震計 防災科研が識別プログラムを開発 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:自然災害
気象庁の緊急地震速報の精度アップを目指す防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は、受信端末に内蔵する地震計の新しいプログラムの開発に成功した。設置場所となる家庭やオフィスで生じる振動と地震波を正確に区別するプログラムで、震度3以上の地震なら99.9%という高い精度で識別が可能という。気象庁が提供するデータだけに頼らない“家庭観測所”としての活用が期待され、普及すれば速報の弱点だった直下型地震にも対応できる。
防災科研の堀内茂木(しげき)研究参事は「気象庁の地震計とは比較にならないほど安価だが、プログラムの開発で識別精度の高さが実証できた。国内全世帯への普及も夢ではない」としている。
この地震計は「ホームサイスモメータ」と呼ばれ、緊急地震速報に加え、端末でも震度2以上の地震で初期微動(P波)を検知して警報で知らせる。床に設置して、インターネットを介して地震計データを集約、解析してフィードバックする。
端末価格は約7万円だが、既に緊急地震速報の受信端末を持っていれば、数千円の地震計を組み込むだけで使用できる。しかし、地震波と屋内のドアの開閉や人の歩行などで生じる振動を区別する際に誤差が生じやすいために実用化できず、プログラムの改善が急務だった。