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ガソリン車に軽油「動かない」 セルフ式 トラブル多発

「軽」だから 安いから…


ガソリンと軽油を入れ間違えて走行できなくなるトラブルが相次ぐセルフ式のガソリンスタンド(名古屋市千種区で)=稲垣政則撮影

 ガソリンと軽油を取り違えて給油したため、走行できなくなるトラブルが、東海4県と北陸3県で、今年7月〜9月の間に計232件発生したことが、日本自動車連盟(JAF)愛知支部の調査でわかった。誤給油のほとんどが、セルフ式のガソリンスタンドで、自分で給油したドライバーとみられる。愛知県は店舗数、増加数とも全国トップの“セルフ王国”で、同支部では、ガソリンの高騰から、セルフ式スタンドの利用が増え、さらに同様のトラブルが起きる可能性があるとみて、注意を呼びかけている。

 同支部は今年7月から、北陸・東海7県で誤給油による救援要請のデータを取り始めた。9月末までの1日平均では約2.5件のトラブルが発生している。

 自動車には、揮発性が高いガソリンを燃焼させるエンジンと、ガソリンより高温高圧で燃えやすい軽油を使用するディーゼルエンジンなどがある。誤った燃料を入れるとエンジントラブルが発生し、ドライバーからは「アクセルを踏んでも加速しない」などの通報がJAFに入るケースが多い。燃料の抜き取りが必要になるが、エンジン洗浄や部品交換などを行うケースもあるという。

 財団法人・日本エネルギー経済研究所石油情報センター(東京)によると、東海4県と北陸3県では、セルフ式ガソリンスタンドが毎年増加。特に愛知県では432店(今年3月末)と、前年から100店近く増え、店舗数、増加数とも全国トップだ。

 同支部によると、誤給油のほとんどが、セルフ式スタンドで発生しており、中には「軽乗用車だから(燃料は)軽油」と思いこんで給油したケースもあった。また、JAFによると、ガソリン代の高騰を反映して「軽油の方が安かったから」との理由で給油するケースも全国ではあるという。

 原油価格の高騰を受けて、今月1日からガソリンなどの販売価格が大幅に値上がり。セルフ式スタンドを利用するドライバーの増加も予想されることから、同支部では「今後、誤給油が増えることが懸念されるが、ドライバーは気づいたらすぐにエンジンを止めてほしい」としている。

2007年11月4日  読売新聞)
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