国際連合本部
潘 基文事務総長殿
謹 啓
平素は国際社会の平和実現と民族間の相互理解のために、たゆまぬ活動を続けておられる事に、深く敬意を表します。
さて日本時間9月20日、安全保障理事会がアフガニスタンに駐留する国際治安支援部隊(ISAF)の任務延長を巡り、米国・英国・日本などのいわゆる「テロ戦争参加有志連合(OEF)」に対する感謝決議を14対1にて採択されました。
この事態に接し、私共ブロガー新党は潘基文事務総長殿に対して、良識ある日本国民の意見を代表して、今回の決議に対する強い懸念と憂慮を表明するものであります。
まず、今回の安保理決議その物は、2001年9月の米国同時多発テロを受けて、国連決議に基づいて派遣されたISAFの派遣延長を決議するものであり「テロ戦争参加有志連合(OEF)」を正当化する理由は一切ありません。尚更2003年に発生したイラク戦争は、米国が国連の仲介勧告を無視して起したもので、コフィ・アナン前事務総長が開戦を強く非難した経緯があります。
にも拘らず、今回安保理に於いて「テロ戦争参加有志連合(OEF)」に感謝の決議をする事は、当時から戦争犯罪行為の可能性が指摘されている対テロ戦争に、国連が加担したとも言え、国際社会の中での中立と公平を謳った国連憲章に違反する可能性があります。
特に日本に於いては、インド洋上での自衛隊艦船による給油活動・イラク国内での自衛隊輸送機による米軍兵站の輸送について、武力及び類似行為による国際紛争加担と集団的自衛権を禁じた「日本国憲法第9条」に違反する事は明白で、先に行われた参議院選挙でも争点となり、今回の決議支持を表明した与党の自民党は歴史的惨敗を帰し、国民は今回の決議に対して「不信任」を突きつけました。
そうした状況でも今回決議案が採択された事に、日本国民の多くが深い失望と憂慮の念を持っており、世界が再び世界大戦の業火に巻き込まれると言う恐怖を感じる者も少なくありません。
国連は、年次活動や付属機関のプログラムの中で「貧困の解消」と「文明の対話」を通じて世界を平和に導こうと努力されています。今世界に拡散するテロや核兵器開発は、上記に述べた国連の活動が等閑にされ、国連その物が主要国のパワーゲームの場として形骸化し、市民社会が求める公平と安定を求める場ではなくなりつつあると言う失望すら広がりつつあります。
私は良識ある日本国民の、いや世界中の良識ある市民社会の意見を代表して、今回安保理が採択した感謝決議に対して断固抗議し、速やかに国連総会の場で決議自体を修正される事を望みます。そして国連が強いイニシアチブを取り、国際社会に「対話の必要性」とテロの温床となる「貧困・格差の是正」を主要国が率先して実行するよう、直ちに決議される事を望みます。
米国の同時多発テロが発生して6年が経ちますが、今だ解決すら出来なく、テロは世界中に広がって憎悪と対立の構図を市民社会に生み出し続けています。
今こそ国連が「負の連鎖」を断ち切るために、利害関係を調整するための時であります。市民社会は国連に大きな期待を寄せています。
権力者の意見ばかりに気を取られるのでなく、市民社会の英知に解決の糸口を見つけられる事を、この抗議文の最後に記します。
2007年9月21日
日本国 ブロガー新党代表世話人
堀端 勤 記
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コメント(5)
納得、TBお願いします。
2007/9/21(金) 午前 8:44 [ wakatajp ]
趣旨は賛成です。
自称「日本国ブッロガー新党代表世話人」という言葉を日本人はその正当性を信じないでしょうが、外国の方はどう思うでしょうか。
2007/9/23(日) 午前 10:09 [ sdwkj355 ]
私も本趣旨に賛同いたします。
現行憲法9条で、
「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と明記されており、軍用艦への給油活動は、戦闘行為の一部と見なされます。
国際貢献の名の下に、憲法をなし崩し的に拡大解釈し、軍事支援を行う自民党は憲法違反であると思います。
国連への抗議文提出に敬服致します。
2007/9/29(土) 午後 9:05
トコロさん、ご賛同ありがとうございます。
2007/9/30(日) 午後 1:31
この文書は、国連のいかなる部署に、どのようなかたちで提出されたのですか? またその言語は何ですか? まさか、ご自分のブログにこの記事を掲載しただけってことはないですよね。それでは、潘基文事務総長が知りうるはずもありませんから。トコロさんのような方の敬服を愚弄するものですよね。
2007/11/4(日) 午後 0:05 [ fukazawa_akito ]