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社会

DMV脱線、現場に緩み(10/25 09:19)

 JR浜小清水駅(網走管内小清水町)の鉄陸両用車両デュアル・モード・ビークル(DMV)の脱線事故の原因は二十四日までのJR北海道の調べで、車両の構造上の欠陥ではなく、鉄陸切り替え位置のミスという現場の緩みだった。

 JR北海道は二十四日の記者会見で、原因について、ゴムタイヤから線路用の鉄輪に切り替える位置を示す停止看板が、本来設置すべき位置ではなく、誤って約三メートル手前の場所に設置されていたため、十分な線路幅が確保できず、片方の鉄輪が乗り上げたまま走行し、脱線したと説明した。その看板は現地の社員が業者に誤発注したため、正しい位置からずれたという。

 DMVの「生みの親」である同社の柿沼博彦副社長は会見の中で、今回の事故が“うっかりミス”によるものであることを強調。二十七日にも運転を再開できることに安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 一方で、DMVについて「線路幅を伸縮するような非常識と言える発想もある」とした上で、「今回、それを形にするために技術をどう変えるのか、社員に周知する難しさを知った」と、数年後に控える本格運行への課題も示した。

 四月の試験運行開始から半年以上、ミスにだれも気付かなかったことになるが、新潟大工学部の谷藤克也教授(車両動力学)は「安全運行に対する緊張感が社員にもう少し欲しかった」と指摘。「鉄道事業者にとって、脱線対策は最優先課題だ」として、車体の傾きの異常を察知する警報装置の設置など、設備面の充実も提言している。

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