元警官起訴事実認める 県警捜査書類偽造初公判
2005/02/24

 兵庫県警自動車警ら隊(自ら隊)の隊員らによる捜査書類ねつ造事件で、捜査報告書を偽造したなどとして、虚偽有印公文書作成・同行使などの罪に問われた元巡査部長(44)=懲戒免職=に対する初公判が二十四日、神戸地裁であった。被告は「間違いありません」などと、起訴事実を全面的に認めた。

 検察側は冒頭陳述で、同被告が犯行に手を染めた背景について「厳しい検挙実績のノルマに追い立てられたことや、他人に負けたくない思いがあった」などと指摘した。

 起訴状によると、被告(44)は自ら隊に所属していた二〇〇一年十一月―〇二年七月にかけて、計五回にわたり、自転車盗難事件の処理過程で、被害者などが特定できなかったため、部下に捜査報告書や被害届などに架空の被害者名を記入させ、書類を偽造。検察庁に送致させるなどした、とされる。

 一連の不正は〇三年十二月に自ら隊阪神方面隊で発覚。〇四年一月、県警が内部調査に乗り出し、〇二年一月―〇四年七月までの捜査報告書など約一万件の関係書類を調査、被告(44)ら十三人を書類送検した。神戸地検は昨年十二月、中心的に不正にかかわった被告(44)を起訴し、残り十二人は起訴猶予処分とした。

 同事件で、県警は犯行当時地域部長だった警視正や自ら隊長を務めた警視三人ら、一つの不祥事では県警史上最多の計百六十三人を処分した。

・特集「県警捜査書類ねつ造

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