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大連立:党首会談の全容判明 恒久法が政権論議の糸口に

 福田康夫首相と民主党の小沢一郎代表との2回にわたる党首会談の全容が明らかになった。連立政権協議は両党間では決裂したが、両党首の間では基本的に一致していた。また自衛隊を海外に派遣する恒久法では国連決議を前提にすることで合意。連立政権ができた場合の閣僚ポストなどにも話題が及んでいた。

 連立政権構想を強く主張してきたのは渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長兼主筆だ。渡辺氏の持論に賛同したのが森喜朗元首相、青木幹雄前参院議員会長、中川秀直元幹事長ら。10月30日の「福田・小沢」第1回会談は森氏らに背中を押されるように実現した。

 45分間の2人だけの協議では、90年以降の日本の安全保障政策について意見交換が行われた。

 「湾岸戦争の時は大変でしたね」。首相は小沢氏に語りかけ、湾岸戦争時の130億ドル支援、96年の日米安保再定義、03年のイラク開戦などが話題になった。

 福田氏は諄々(じゅんじゅん)と新テロ特措法案の意義、日米同盟の重要性を説いた。小沢氏は恒久法について、国連決議を前提にしなければ自衛隊派遣ができないという考え方をメモに書いて首相に渡した。首相は「国連決議だけの有無でいいのですか。相談させてほしい」と検討することを約束した。

 恒久法が連立政権論議の糸口になった。そして話題は閣僚人事まで発展していった。連立政権ができた場合、民主党に振り分けられる財務相など数々のポスト名までが飛び交った。当初は政策協議を念頭にしていた首相も「連立政権協議をして、まとめられるのならそれでもいい」という考えに傾いていった。

 2日の第2回目の会談。恒久法に関する国連決議原則について、首相は「これでいいですよ」と返答。小沢氏も「じゃあ、これで(民主)党内を説得しますから」と約束した。

 そして小沢氏は「連立協議をするなら、国会を閉じなくてはいけない」と提案。連立政権協議の中で新テロ特措法案を話し合う考えを示し、首相は小沢氏は同法案に賛成する腹だと受けとめた。

 首相からの連立政権提案を持ち帰る際、小沢氏は「決めてきます」と告げた。この言葉で首相は連立政権協議が始まると大いに期待した。

 小沢氏は役員会で、恒久法の国連原則に首相が応じたことを報告したが政権協議そのものへの反対論にかき消された。

 与党関係者によると、首相との会談で小沢氏は「総理、あなたから連立をもちかけたことにしてもらえませんか」と切り出し、首相は「その方が都合がいいのなら、それで結構ですよ」と即答した。このように政界には連立政権に関する「小沢首謀説」が流れている。

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は3日、京都府内の講演で「小沢代表が大連立を持ちかけた事実はない。代表がうそをつくはずがない。自民党の情報操作だ」と反発した。

毎日新聞 2007年11月4日 2時30分 (最終更新時間 11月4日 2時43分)

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