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自民党の「大連立」打診を民主党拒否

 福田康夫首相(71)は2日、民主党の小沢一郎代表(65)と国会内で2度目の党首会談を行い、民主党との連立政権樹立に向けた政策協議を打診した。小沢氏は回答を保留、同日夜の党役員会で、拒否する方針を決めた。福田氏は、今国会の新テロ特別措置法案の成立を目指し、いちかばちかの“奇襲”を仕掛けたが受け入れられず、求心力低下は避けられない。自民、民主両党の対立激化は必至で、福田氏の政権運営は厳しさを増しそうだ。

 与野党トップの密室談義の中身は、かねてうわさされた「大連立」だった。

 福田氏はこの日、休憩をはさんで2度、2時間以上に及んだ会談で、小沢氏に、連立政権樹立に向けた協議を提案。「今の国会の状況を打開するため、新体制をつくることもいいのではないか」と持ち掛けた。小沢氏は「党内でよく協議する」と持ち帰ったが反対意見が多数を占め、同日夜、福田氏に電話をかけ「反対が多数なので、のめません」と電話で伝えた。会談の内容が表面化してからわずか1時間半で、急展開した事態は収束した。

 鳩山由紀夫幹事長(60)は、「大連立は大政翼賛会的で(国民の)批判を受ける。とても(党が)持たない」と説明。これに対し、町村信孝官房長官(63)は「ずいぶん早く決めた。首相があれだけ真剣に国を思って提案したのに、ノーとの答えは意外であり残念だ」と、話した。

 福田氏の打診は不発に終わり、パートナーを組む公明党の、今後の反発は避けられない。今後の政権運営が厳しくなるのは確実だ。しかしそれ以上に、第1党と第2党による政界再編含みの動きが一気にエスカレートしたことへの衝撃は、与野党ともに大きい。大連立の可能性を福田、小沢両氏ともに否定していたこともあり「表に出ていない話がまだあるのでは」(与党関係者)と、疑心暗鬼がさらに深まっている。

 会談は当初、インド洋での海上自衛隊による給油活動再開へ向け、新テロ対策特別措置法案の必要性を強調する福田氏が、小沢氏を説得していたとみられていた。小沢氏は会談前、対テロ新法案への反対と、国連決議がない限り、自衛隊の海外派遣は認めない持論は崩さない方針を周囲に示していた。しかし、小沢氏は国際的な平和活動のために自衛隊海外派遣を随時可能にする「恒久法」を政府が検討するなら、法案に協力する意向を示したという。

 福田氏が小沢氏と電話で連絡を取っているとの説や、「(法案を)参院で速やかに否決して衆院に戻してほしい。3分の2条項で成立させるが、衆院解散・総選挙はしない」と約束したという密約説もささやかれる。2人の“距離”を額面通りに受け取れない面があるのも確かだ。福田氏は小沢氏について、「信頼しないで話ができますか」とさえ話している。政局は政界再編含みで流動化する兆しさえ見せ始めた。

[2007年11月3日7時29分 紙面から]

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