連立拒否の民主党 小沢代表の求心力低下か
2日に行われた自民・民両党の党首会談で、福田首相(自民党総裁)が民主党・小沢代表に連立政権の協議を打診した。これを受け、民主党は協議した結果、連立を拒否する回答をした。しかし、連立打診は断ったものの、民主党内には、話し合いの土俵に乗った小沢代表への不信感が広がっており、今後の対応次第では、求心力の低下にもつながりかねない。
不信感は、これまでの方針を転換して、密室の党首会談を続けたことに向けられた。さらに、連立の打診をその場で拒否せず、「持ち帰って検討する」としたことで批判が噴出した。これまで小沢代表に距離を置いてきたある議員は「これまでの党の方針と連立を両てんびんに掛けた。小沢代表の正体見たりだ。万が一、連立を受けていたら、党から追い出していた」と激しく批判した。つまり、「小沢代表は裏で手を握っているのではないか」という不信がくすぶっているわけだ。
民主党内の一部には「今回の連立構想は小沢代表が持ち掛けた」という見方も出ている。
防衛省の疑惑などをめぐって攻勢を強めていただけに、この不信感が尾を引けば、民主党の勢いは大きくそがれることになる。
また、民主党内には「小沢代表は、今後も水面下で連立協議を模索する」という見方もあり、その場合、「小沢代表に近い議員がそれに追随すれば、党の分裂にもつながる」という疑心暗鬼の声も上がっており、混乱は避けられない情勢となっている。