ジュゴン藻場にクイ/名護海岸に防衛局設置
【名護】米軍普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への代替施設建設に伴う海域の現況調査(事前調査)で、沖縄防衛局が天然記念物ジュゴンの餌場となっている藻場に調査ポイントを示す標識とみられる鉄クイとナイロン製のロープを設置していたことが三十一日、分かった。自然保護団体や専門家は「ジュゴンが餌を食べに来なくなる」と危惧している。
「北限のジュゴンを見守る会」の鈴木雅子代表らによると、水中の砂地に差し込む鉄クイは三十―四十センチ。水面に出ているわっかに、約五十センチのナイロン製の浮きロープを結び付けている。ジュゴンの食み跡近くに設置され二、三メートルから十メートルほどの間隔で、九十ほど設置されているという。
二十七日に確認され、自然環境保護団体から「ジュゴンの体を傷つける恐れがある」との指摘を受け、沖縄防衛局は三十一日までに、鉄クイをプラスチックのクイに変更したもようだ。鈴木代表は「ジュゴンは同じ場所に餌を食べに戻ってくる。今のままでは、ジュゴンが来る障害になる」と批判。沖縄防衛局は「事実関係を調査中」とコメントしている。
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