沖合移動に根拠必要/普天間移設
騒音データ収集意向
仲井真弘多知事は二日午前の定例記者会見で、米軍普天間飛行場代替施設協議で県などが求めている滑走路の沖合移動の範囲について「耳で聞き、実感として大丈夫と判断することは必要と思う」と述べ、名護市辺野古沖を埋め立てる従来案で沖合二・二キロの位置に滑走路を設定した際と同様に、実際に航空機を飛ばした上で騒音データを収集するなど、科学的根拠に基づいて移動距離を決めるべきだとの考えを示した。
また、沖合移動の距離に関し、政府に具体的な数値を示した要求はしていないとした上で「政府がもう一回抜本的に協議をやり直すところまでは求めない。大幅に、というわけにはいかないという思いがないわけではない。地元の意見を尊重する姿勢を持ってもらえばどんな形で収めていくかはこれからのことだ」とし、七日に開催される普天間飛行場の移設に関する協議会の場でも、日米合意の範囲内で修正を求めていく考えをあらためて示した。
文部科学省が四月に実施した全国学力テストで沖縄県が最下位の結果となったことに、仲井真知事は「誠に残念。沖縄の子どもたちは、文化芸能、スポーツは全国並みだろうと思う。学力も全国レベルに到達していると思っていたので、ちょっと意外な感じを受けた」と述べた。
その上で「いろんな原因、理由があると思うが、専門の先生方も含めて意見をまとめてみたい」と早急な対策が必要との認識を示した。
再編案を容認で北部の追加示唆 交付金で官房長官
【東京】町村信孝官房長官は二日午前の閣議後会見で、在日米軍再編への協力度合いに応じて支払われる再編交付金の交付対象から名護市などが外れたことについて、「地元との話がうまく整えば、それは弾力的に追加されるということだ」と述べ、普天間飛行場代替施設の日米合意案をはじめとする現行の再編案を受け入れれば柔軟に対応するとの考えを示した。
対象漏れによる米軍普天間飛行場移設問題への影響については「影響はないと思う」との認識を示した。
協議会 7日開催を決定
【東京】政府は二日午前、米軍普天間飛行場の移設に関する協議会の第四回会合を七日午前八時から首相官邸で開くと発表した。(1)代替施設の建設計画(2)普天間飛行場の危険性の除去(3)設置要綱の改正(主宰者の変更)―を議題にする。冒頭で主宰者を防衛相、沖縄担当相の共催から官房長官に格上げすることを審議。建設計画は環境影響評価(アセスメント)の進め方を中心に、沖縄側が最初に意見表明し、その後に関係省庁が見解を述べる。
同日午前の閣議後会見で町村信孝官房長官は、協議会が今年一月以降、開催されていないことに「その間にアセスメントの手続きは始まったが、(政府と沖縄側が)何となくギクシャクしている状況がある。それでは普天間の早期移設、ロードマップ通りに物事が運ばなくなる」と現状への危機感を強調。「政府と地元がいい関係を保ちながら進めていくため、久方ぶりの会合をやろうではないかということだ」と開催の意義を説明した。
岸田文雄沖縄担当相は「官房長官が主宰することによって防衛省をはじめ、それぞれの立場で忌憚のない意見交換ができる」と歓迎した。
石破茂防衛相も「首相官邸の強いリーダーシップで、日本政府としての強い意志で動かしていこうとするなら、官房長官の主宰が望ましい」と評価した。
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