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大連立協議:両党首に打撃

 自民、民主両党の連立協議入りが両党首の積極姿勢が覆される形で失敗したことは、福田康夫首相、小沢一郎代表の双方にとって打撃だ。「頂上作戦」で衆参ねじれ国会の打開を目指す首相の戦略は挫折、小沢氏も自らの党内掌握力の限界を示した。10日の臨時国会会期末を控え、民主党は対決主導に回帰するとみられ、新テロ対策特措法案の成立は一層困難な情勢。加えて両党首の求心力も低下したことで、政局全般に不透明感が強まることは確実だ。

 小沢氏との直接対話を通じ国会乗り切りを図る首相の戦略は先月30日の初会談の際は奏功。一部法案で両党が修正協議に入るめどが立つなど、対話ムードが生じた。しかし、一気に連立協議に進もうとして逆にしくじった痛手は大きい。民主党との対話ルールが見えないまま会期末を迎える。

 一方で、参院選大勝で盤石の体制を固めた小沢氏も、党内から「ノー」を突きつけられる形で連立協議を断念せざるを得なかった。首相がここまで深入りした背景には、事前の小沢氏の好感触があったことは間違いない。二大政党の党首の意向が公式の場で覆される失態が党内基盤に与える影響は無視できない。特に首相の言動が公明党、小沢氏の対応が民主党内やその支持層に与えた不信感は大きいとみられる。

 首相はインド洋で海上自衛隊が給油する新テロ特措法案を最低限、衆院通過させたい考えで、会期を相当程度延長するべき、との意見が与党内には強まっている。ただ、仮に延長しても成立する見通しは立っておらず、参院否決後の再議決には公明党の猛反発が予想される。次期衆院解散・総選挙の時期をめぐっても「話し合い」による調整は一層難しくなり、不測の事態を招きやすくなる。

 今回の混乱劇を生んだ底流には、自民、民主双方とも「ねじれ国会」に対応しきれていない現実がある。政治の迷走は続きそうだ。【人羅格】

毎日新聞 2007年11月3日 0時16分

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