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【社会】

「南京虐殺」本で名誉棄損 400万賠償命じる

2007年11月2日 20時36分

 旧日本軍による南京大虐殺の被害者を装い虚偽の証言をしているかのように本で書かれ、名誉を傷つけられたとして、中国人の夏淑琴さん(78)が、著者の東中野修道亜細亜大教授と発行した「展転社」(東京)に計1500万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は2日、計400万円の賠償を命じた。

 三代川三千代裁判長は「本の記述は、原告が生存被害者ではないのに被害者と偽っていると強く印象づける内容。資料の解釈は妥当ではなく、学問研究の成果にも値しない。真実や真実と信ずべき相当な理由は認められない」と判断した。

 東中野教授は「非常に心外。控訴する方針」と話している。

 問題の書籍は1998年発行の「『南京虐殺』の徹底検証」。国内で約1万3000部出版され、英語版や中国語版も出た。

 判決によると、夏さんは、米人牧師が記録した南京大虐殺の資料に出てくる家族を殺された8歳の少女は自分として、被害体験を語ることで知られていたが、東中野教授は「少女は夏さんとは別人」などと記述した。

(共同)
 

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