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藤枝市立総合病院:保険医に再指定 患者減少、経営へ影響必至 /静岡

 保険医療機関指定を取り消されていた藤枝市立総合病院は1日、静岡社会保険事務局から再指定された。公立病院で保険が使えない異常事態は1カ月で解消された。しかし、患者数の減少や「療養費払い」(いったん患者が全額負担し、後で健保組合などの保険者が還付する制度)が認められない場合の病院負担が重く、経営への影響は避けられそうにない。

 取り消し期間中の外来患者数は1診療日平均350人と前年同月比3割、入院は延べ8740人と同6割に激減した。期間中は患者のほぼ全員が療養費払いを申請したが、各保険者がどの程度の還付を認めるかは不明だ。認められなかった分は同病院が負担することになるため、元々県内の自治体病院で最も年間赤字額が大きい同病院の経営はさらに苦しくなる。同病院は今後、がんや脳卒中など得意分野に特化して経営再建を目指す方針だ。

 ◇金丸院長「支えてくれた人に感謝」

 「ようやくひと区切り。支えてくれたすべての人に感謝したい」。1日朝、入り口に立った金丸仁院長(59)は目に涙をためて言った。指定取り消しに揺れた春以降の心労は味わったことがないものだった。

 毎朝午前4時に悪夢で目が覚めた。「自分の代で病院をつぶしてしまうのでは」。口ひげにも白い部分が増え、うつ寸前まで追い込まれたと感じた。

 だが、医師としての自負もある。院長になっても週1回の外来では100人の患者を診る。先月26日に辞意を表明したが、「もし残らせてくれるならここで外科医を続けたい」。定年の65歳まで1人の医師でありたいと願う気持ちは、ますます強くなった。【稲生陽】

毎日新聞 2007年11月2日

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