厚生労働省は2日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関、中医協)で、08年度診療報酬改定で実施する病院勤務医の負担軽減策を提示した。開業医の診療報酬について、外来患者を時間外に診療した場合の加算を手厚くする代わりに初・再診料を引き下げ、夜間や休日に診療をしないと高収益を望めない体系に改めることが柱。地域の診療所に夜も患者を受け入れさせることで患者が大病院に集中しないようにし、開業医と病院との役割分担・連携を強化する狙いだ。
今回の方針は、医師対策としての勤務医の負担軽減とともに、定時診療しかしない開業医の収入を抑えることに狙いがある。在宅医療に力を入れている開業医を支援するための施策となる。
厚労省は同時に、急性の重篤患者を常時受け入れられる人員、設備を整え、産科、小児科、精神科を含む総合的医療を提供できる医療機関への報酬を手厚くする方針も表明。書類作成業務など医師の事務作業を補助する事務職員を配置する際に加算措置を設けることも打ち出した。
一方、来年4月からスタートする75歳以上の後期高齢者医療制度に関連し、外来患者を診る主治医の初診料を引き上げる一方、再診料は下げる考えを示した。高齢者の場合、初診時には過去の受診歴や、受けている介護サービスなどを詳しく聞く必要がある半面、2回目以降は慢性疾患の経過観察などが中心になるためとしている。【吉田啓志】
毎日新聞 2007年11月2日 11時41分