衆院決算委にのぞむ田中真紀子元外相(左)と、質問に答える福田康夫首相=国会内で2007年10月12日午前、藤井太郎撮影
今週(10月7日~12日)の焦点は国会。9日の衆院予算委で福田康夫首相ら閣僚が出席して基本的質疑が始まり、本格的な与野党の論戦が幕を開けた。海上自衛隊によるインド洋での給油活動のイラク戦争(03年)への転用疑惑、政治とカネを巡る問題などで激しい応酬が続いた。しかし、攻める民主党側にも小沢一郎代表の資金管理団体が政治資金で購入したマンションを貸し出し、毎月の家賃を得ていた問題が発覚。双方の追及合戦となった。
12日の決算行政監視委では、小泉内閣の外相として官僚との対立を繰り返した田中真紀子氏と、官房長官として田中氏の頭越しに官僚を動かし、「影の外相」と呼ばれた福田首相が直接対決。真紀子氏の父、田中角栄元首相と福田氏の父、福田赳夫元首相による「角福戦争」(72年総裁選)から35年後の“2代目”因縁対決となった。
このほかの主なニュースでは、大阪府寝屋川市のコンビニエンスストアでアルバイト店員(27)が万引きをした少年2人を追いかけ、刺殺された事件で、逮捕された少年が「ビールが飲みたくてやった」と動機を供述。この事件後にも長野市で殺人未遂事件が発生するなど、全国のコンビニエンスストアで強盗などの被害が相次いだ。
国外では10日、イラン南東部で、渡航中の日本人男子大学生(23)が武装グループに誘拐されたことが判明。襲撃事件などが頻発している同地域の「無法地帯」ぶりがクローズアップされた。また、ミャンマー反政府デモ取材中に射殺された映像ジャーナリスト、長井健司さん(50)の葬儀が8日、東京都港区の青山葬儀所で営まれ、遺骨は翌9日、故郷の愛媛県今治市に戻った。ミャンマー情勢を巡っては国連安保理が11日、軍事政権のデモ弾圧に対して「強い遺憾」を表明した議長声明を全会一致で採択した。
12日朝にはJR東日本や私鉄の首都圏の駅、東京メトロの駅で自動改札機が使用できないトラブルが発生。通勤・通学の数百万人が改札を「素通り」した。同日夕方には世界的建築家の黒川紀章さん(73)急死の一報が飛び込んできた。
今週はノーベル賞ウィークでもあり、医学・生理学賞、物理学賞、化学賞、文学賞、平和賞がそれぞれ発表され、平和賞は地球温暖化の危機を訴え続けているゴア前米副大統領(59)らが受賞した。