ここから本文エリア

現在位置:asahi.comマイタウン滋賀> 記事

表情豊かに全国へ大津シンフォニックバンド

2007年11月01日

写真

本番に向け、練習に励む団員たち=大津市浜大津1丁目のスカイプラザ浜大津で

【心一つに調整進む】
【全日本吹奏楽コン9回目の関西代表】

 4日に長野市の県民文化会館で開かれる第55回全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)一般の部に、県内から大津シンフォニックバンド(OSB)が関西代表として出場する。9回目の全国大会を前に、団員たちは一丸となって最後の調整に励んでいる。(上田悠)

 「もっと大和なでしこがふすまをそっと開けるように。今のはふすまを足でけってるようや」。先月21日に大津市内であった練習。演奏に対し、指揮者の森島洋一さん(64)はユニークな表現で指示を出した。一呼吸おいて森島さんが指揮棒をそっと振り下ろすと、木管楽器の優しい音色が一つになり、柔らかなメロディーが響いてきた。

 OSBは79年、大津市の膳所高校と石山高校の吹奏楽部の卒業生ら約30人で結成された。結成時からクラシック曲を中心に、難易度の高い曲に挑戦を続けている。全国大会を目指して地道な練習を重ね、同大会に初出場した89年に金賞を受賞した。

 その後、しばらく全国大会から遠ざかったが、98年にびわ湖ホール(大津市打出浜)で開かれた第46回大会で再び金賞に。この大会から日本の作曲家の作品を演奏の中心に据えた。昨年までに2度の休みを挟んで7回連続で全国大会に出場。うち5回、金賞に輝き、「邦人作品のOSB」と言われるまでになった。

 現在、団員は大学生と社会人を中心に約70人。主に週末に県内のホールやスタジオに集まって練習をしている。年2回、びわ湖ホールなどで定期演奏会を開き、県内各地のイベントにも積極的に参加している。結成時からのメンバーで、団長の塚本秀一さん(48)は「県外に住むメンバーが増え、支えてくれる人も関西一円に広がってきた。大会で好成績を収め、吹奏楽の魅力を多くの人に知ってもらいたい」と話す。

 この日の練習には、OSBのために自由曲「Pansoric Rhapsody」を作曲した高昌帥(コウ・チャンス)さん(37)も足を運び、演奏に聴き入った。在日韓国人の高さんが韓国の伝統音楽をアレンジしたというこの曲は、豊かな感情表現が求められる難曲だ。高さんは「曲の激しさを十分に表現しながら、OSBらしさを加え、好成績を収めてほしい」とエールを贈る。

 森島さんは大会に向けて「関西代表として責任感を持ち、自分たちの力を出し切って観客を魅了したい。そうすれば、結果はおのずとついてくる」と抱負を語った。

ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る