ここから本文エリア 「延期」と県など平静装う2007年11月01日 パイオニアが南アルプス市で計画していた新工場の建設が31日、事実上、「凍結」された。3期連続最終赤字の同社はこの日、業績の回復が芳しくないことを理由に、これまでの計画を「延期する」から一転、「見送る」に一歩踏み込んだ。県や市は「凍結ではなく延期だ」と平静を装うが、先行きの見通しは立っていない。 計画は薄型テレビ用のプラズマ・ディスプレー・パネル(PDP)の生産工場を同市野牛島の国道52号(甲西バイパス)沿いに建設するという内容で、1年前に明らかになった。同社は約10ヘクタールの用地を取得し、07年上期に着工、同年度内の稼働を予定していた。造成費を含めた総事業費は200億円以上。従業員は200人規模で、雇用や税収などで地元に貢献するとみられていた。 今年1月、同社は突如、「延期」を発表。その後、沈黙を保ってきたが、9月中間決算を公表した31日、「見送り」を正式表明した。須藤民彦社長は「完全にやめたわけではない。リスクを考えると、先延ばしした方がいい」というあいまいな説明をした。 この日情報収集に追われた県や南アルプス市は、単なる延期であって凍結や白紙撤回ではないという立場だ。同社幹部らが30日、県庁や市役所を訪れ、「延期」を強調したためだ。 「(同社は)新しい投資ができない今の苦境を訴えた」(南アルプス市)という。1月に用地売買の仮契約を結んでいる同市は「『来春に向け造成工事を進めてほしい』と要請を受けた」とも説明している。 主要工場の相次ぐ県外流出に直面している横内正明知事は31日の定例会見で、「凍結ではなく、再度延期したいという話」と強調した。 マイタウン山梨
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