免許証を偽造、無免許運転で人身事故を起こしたとして、道交法違反や有印公文書偽造・同行使などの罪に問われた群馬県桐生市消防本部の元消防司令、薄井龍平被告(55)に対し、前橋地裁は1日、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年6月)の判決を言い渡した。
久我泰博裁判長は、判決理由で「救急車やポンプ車など公用車を少なくとも128回運転し、通勤でも無免許運転を繰り返した」と指摘。「消防署内の点検を予想して免許証を巧妙に偽造、公務員に対する市民の信頼を根底から損なわせた」としたが「懲戒免職になり社会的制裁を受けている」と述べた。
判決によると、薄井被告は1970年、普通免許があると偽って消防士に採用され、翌年から救急車などを運転。2005年1月、原付免許証に紙を張り付けて普通免許証を偽造、今年7月5日、桐生市の交差点で乗用車に衝突して男性に軽傷を負わせ、桐生署員に偽造免許証を提示した。〔共同〕(13:01)