アルジャジーラ検定問題を特集
中東を本拠に全世界に放送網を持つ放送局「アルジャジーラ」の特派員らが三十一日、座間味島を訪れ、「集団自決(強制集団死)」体験者の宮平春子さん(82)を取材した。同局は文部科学省が高校の日本史教科書から沖縄戦の集団自決に対する日本軍の強制を示す記述を削除した教科書検定問題をめぐり、十一万六千人を集めた県民大会が開かれるなど、日本で大きな議論となっている状況を取材している。
座間味島を訪れたのはクアラルンプール支局のデイビッド・ホーキンス特派員ら。宮平さんから、沖縄戦当時の村助役兼兵事主任だった兄・宮里盛秀さんが「集団自決」が起きる直前に、「軍からの命令で、敵が上陸してきたら玉砕するよう言われている」と、父・盛永さんに伝えていたことなどを聞いた。
取材陣は平和祈念資料館や、高校の授業風景なども取材する予定。ホーキンス特派員は「日本で改憲などへの動きが進む中、なぜこの問題が大きな論争になったのかに興味を抱いた」という。「現地で取材して、沖縄の人々は、沖縄戦時に日米両国の軍隊から被害を受けていたのではとの印象を持った」と話した。
取材結果は特集番組として、来週以後に同局の英語チャンネルで放送される予定。
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