2007年11月1日 [木]
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主語に「日本軍」明記 執筆者が異例の表明、週内にも訂正申請

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主語に「日本軍」明記 執筆者が異例の表明、週内にも訂正申請

 【東京】高校歴史教科書の「集団自決」(強制集団死)検定問題をめぐり、教科書執筆者で高校教諭の坂本昇さん(51)は27日夕、都内で記者会見し、自ら執筆を担当した教科書で「日本軍によって『集団自決』を強いられた」と記述し、軍強制を明記する方針を明らかにした。31日に教科書出版社と最終調整し、11月1日か2日のいずれかの日に文部科学省に訂正申請する予定。申請前に執筆者が訂正内容を公表するのは極めて異例だ。9月29日の「9・29教科書検定意見撤回を求める県民大会」から1カ月が経過したが、執筆者から訂正申請の具体的な方向性が示されたことで、「集団自決」検定問題は新たな局面を迎えた。
 検定後の記述は「『集団自決』においこまれたり」と、日本軍の強制性が不明りょうになっていた。今回は「日本軍によって『集団自決』を強いられたり」との記述で調整している。
 坂本さんは、本文のほかにも4点の修正を行う方針。「集団自決」の文言に脚注を付け、「これを『強制集団死』と呼ぶことがある」と加える。引用史料として記載していた「集団自決」体験者の証言には、「軍から命令が出たとの知らせがあり、いよいよ手榴弾(しゅりゅうだん)による自決が始まりました(略)」との段落を追加し、分量を増やす。
 最近の情勢を伝える別のページには、2007年の出来事として教科書検定が問題になったことを取り上げる。9月末に沖縄で、検定撤回を求める大規模な県民大会が開催されたことも注釈に盛り込む。
 文科省は、審査が終わるまで訂正内容を外部に公表することを禁じている。坂本さんは「あくまで一執筆者の個人責任として会見した」と話した。
 県民大会に参加した坂本さんは、軍強制を明確化した記述にする理由について「沖縄の人は安易な訂正ではなく、撤回を求めている。その気持ちを大事にしたい。検定意見に徹底して抗議せずに折れてしまった執筆者の責任もある。われわれも中途半端に訂正申請すべきではない」と話した。
 対象5社のうち、ほかの3社も検定前より「日本軍の強制」を明確化した記述に改める方針を示している。11月の第1週までには、他社の修正内容もほぼ出そろうとみられる。
 文科省は、教科書出版社から訂正申請が出た場合、教科用図書検定調査審議会を開き、審議にかける方針を示している。

(10/28 9:42)

 
検定撤回県民大会 |