沖縄戦の集団自決をめぐる教科書検定問題で、教科書会社のうち1社は、本文の訂正内容を、「日本軍によって『集団自決』においこまれた」とし、1日にも文部科学省に申請することを決めた。脚注や引用史料で軍の強制性をより強調する。方針は執筆者が27日に公表していた。
同社の教科書の検定前の記述は「日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民や、集団で『自決』を強いられたものもあった」だった。しかし、検定意見を受けて「『集団自決』においこまれたり、日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民もあった」となり、強制が誰によって行われたかあいまいな表現になっていた。
関係者によると、当初は「強いられた」との表現を用いる方針だったが、今の高校生には使い慣れない言葉でもあり、「おいこまれた」に変更することにした。
また、「集団自決」に脚注を付け、「『強制集団死』とよぶこともある」と記載し、強制性を強調する。沖縄県であった検定意見撤回を求める県民大会に関する記述は「参加者数」を削除して追加する。【高山純二】
毎日新聞 2007年11月1日 東京朝刊