今日は気温が高く、とても暑い一日でした。とはいえ湿度はあまり高くなかったせいか、蒸し暑さはあまり感じませんでした。今週から徐々に温度が下がっていくとのこと。まさに晩夏ですね。今日、私は色とりどりの想いと共に、去り行く夏を見送りました。うーん、今年の夏はあまり良い思い出はなかったですね。そして季節は秋へとバトンが渡されます。秋は一番好きな季節です。読書の秋、芸術の秋、食欲の秋……。緑色の葉が赤く染まる頃、私はおいしいものに囲まれ、大好きなイタリアンを……、ではなく、違う違う、締め切りに追われ、年内中にあと数冊の本を仕上げなければならない予定なのでした!!! ??? 仕事するわよ!! 草薙厚子
議論なく勧告を既成事実化していいのか
———少年審判事件本を出版して———
草薙厚子
五月に出版された『僕はパパを殺すことを決めた』(講談社)について、七月十二日に東京法務局から、「プライバシーを侵害し、少年法の趣旨に反する」として再発防止を求める勧告を私と講談社が受けた。二〇〇六年六月に奈良で起きた、一六歳の少年による自宅放火事件(継母と異母弟妹の三人が焼死)について、少年の供述調書を引用して動機を描き出したことが「少年法の趣旨に反する」と判断された。書籍の著者本人にこうした勧告がなされるのは極めて異例とのことである。
法治国家に生きる人間である以上、法務省からの勧告には真摯に耳を傾けるつもりだ。しかし、勧告のすべてを無批判に受けとめるわけにはいかない。指摘しておきたいのは、新聞報道にあった「販売中止」「増刷中止」といった文言は、勧告書にはまったくなかったことだ。勧告書にあった〈更なる被害を防止するための適切な措置〉という文言の意味について、法務省側が記者クラブに対してそのような説明を行ったのかもしれないが、私が実際に受けた勧告と新聞報道はだいぶ違う。七月十三日付読売新聞朝刊の「少年調書引用本 販売中止を 東京法務局が勧告」という見出しは、まるで当局のプロパガンダに乗っているかのような印象を受けた。「引用本」という表現も乱暴だし、東京法務局は販売中止を勧告したわけではない。表現行為にかかわるデリケートな問題について、同じ表現者であるはずの新聞記者がこのような記事を書くことに、私は驚きと失望を覚えた。
少年法第22条で定められた審判非公開については、私の理解では審判そのものを非公開とすることだと思っているが、法務省は捜査資料も含めて審判内容に関わるものはすべて非公開と考えているようだ。しかし、これほど日本中を震撼させた事件については、動機に関わる部分はきちんと公開すべきだというのが私の意見である。重大な少年事件が発生すると、直後には洪水のような情報が氾濫するが、一ヵ月も経たないうちに収束し、やがてまったく報じられなくなってしまう。その理由は少年法の壁に遮られ、取材者が情報を得ることができなくなるからだ。
マスコミ報道が過熱することには是非があると思うが、少なくとも成人事件の場合は、判決が確定するまで各社は取材を続ける。そうした中で、初期報道の誤りが訂正される機会もあるし、何より公判廷においてある程度事件の全貌が明らかになる。そこが少年事件と異なる。初期報道で喧伝された「普通の頭の良い子が突然、事件を起こした」という言葉だけが残されては、国民は不安に陥るばかりだ。私はこうした不安を解消する一つの方法が、「正しい情報」を公開し、検証することだと判断し、出版することを決めた。
これまでの著作で当局の内部資料を参考にする場合は、今回のようにそのまま引用することはなかった。そうすれば抗議や勧告を受けることもなく、穏便に出版することができる。実際、法務省からは「なぜ地の文に溶け込ませて書けなかったのか」との質問があった。もちろん、調書の内容を地の文で書くこともできた。しかし、そうすることによって「これはどこまでが真実なのか」と疑う人が出てくる。この事件の真相を知るためには、少年がいかに追い詰められていたか、その心情を伝えることが不可欠である。そのためには、生の声を聞いてもらうのが最も良い方法だと判断した。
出版後、様々な批判にさらされることは覚悟していた。そして実際に、奈良家裁からの抗議と東京法務局からの勧告を受けた。だが、「引用するのはダメで、地の文に溶け込ませればお咎めなし」という見解は、本質を見失った判断ではないか。
プライバシーの侵害と報道の意義の両者は、常に戦ってきた歴史がある。本書に社会的な意義があるかどうかは、読んでくださった皆さんに判断してもらうことだが、少なくとも私と講談社は意義があると思ったから出版した。それに対する法務省の勧告には、前述のように真摯に耳を傾けるが、すべてを受け入れることはできない。本書の販売を中止するかどうか、言論・表現の自由が認められたこの国においては、相当の議論があってしかるべきだ。それなのに、完全にお上の意に沿うような報道する新聞社があったことこそ、私は問題だと思う。「自分で自分の首を絞める」行為だということに気づいていないのだろう。読売新聞の記事を読んで、誤解して返本してきた本屋さんもあったと聞いた。議論を失った世の中が不幸であることは、言うまでもないことだ。
(出典:平成19年8月文藝家協會ニュースより)
http://www.japanpen.or.jp/seimei/070830.html
日本ペンクラブで関テレ「発掘!あるある大辞典」の件なども含め、小泉政権時位から、メディアに公権力で監視する傾向が強くなったという話を聞きました。法務省側から「加害者に謝罪をしなさいと」という勧告を受けたのは何度かこのブログに書きました。先日、そのことをある官僚に言ったら、「(加害者に謝罪するために)少年と会ってもいいということなのではないかな。会って少年院での少年の様子を書いたらどう?」と返されました。私は「まさか!そんな意味なわけ・・・・・・」と思ったのですが、加害者と会えるのだったら、少年院に行って会いたいと、一瞬思ったのでした。まあ、これは皮肉なんですけどね。
さて、再出発したばかりの安倍政権。引き続き閣僚の不祥事が相次いでいます。前回の内閣で法務大臣だった長勢氏は、5月に出版した本に関して、「遺憾だ」というコメントを出し、その結果、私と講談社は勧告を受けました。それは真摯に受け止めていますが、ちょっと、ここで冷静に考えました。長勢前法務大臣は私の本に対して「人権侵害」と言っていたけれど、法務大臣任期中11カ月で、なんと10人もの死刑を執行しているのです。93年の執行再開以降の法相は20人いるのですが、彼が下したのは最多だそうです。こんな人に、「人権侵害」と言われたくないですね。もちろん、その問題は単純ではないと思いますが、皆さんはどう思いますか?
草薙厚子
公式プロフィールはこちらをご覧下さい。
http://www.kusanagiatsuko.com/ になりました。
他のインターネットサイトの中には、偽りの経歴、プロフィールもありますので注意して下さい。
さて、今日は色々なことがありました。社団法人 日本ペンクラブ(会長 阿刀田高)から、「出版社及び著述家に対する法務省勧告に抗議する声明」を出しましたとの連絡がありました。
-----以下、時事通信のHPから抜粋------
2007/08/30-16:39 日本ペンクラブが抗議声明=「僕はパパを殺すことに決めた」への勧告で
奈良県での放火殺人事件を扱った本「僕はパパを殺すことに決めた」(講談社)について、東京法務局が7月に「人権侵害」を理由に関係者への謝罪と被害回復措置を行うよう著者のフリージャーナリスト草薙厚子さんと同社に勧告したことに対し、日本ペンクラブ(阿刀田高会長)は30日、「表現の自由へのあからさまな介入」とする抗議声明を出した。
-----共同通信のHPから-----
東京法務局の勧告に抗議声明 日本ペンクラブ
2007年8月30日(木)19:04
フリージャーナリスト草薙厚子さんの著書「僕はパパを殺すことに決めた」について、東京法務局が「少年法の趣旨に反する」などとして版元の講談社と草薙さんに勧告したことに対し、日本ペンクラブは30日、「公権力が書籍の内容を判断し、勧告するのは、表現の自由を踏みにじるものだ」と抗議する声明を発表した。同書は、奈良県の医師宅放火殺人事件の長男や医師らの心理状態などを描いている。
しかし、実際の抗議文はニュースにあるような短いものではないのです。A4枚にびっしり書かれています。
また、「文藝家協会ニュース8月号」にも「議論なく勧告を既成事実化していいのかー少年審判事件本を出版して」を寄稿しました。
共同通信や時事通信は、この声明に関してのニュースを流してくれました。しかし、他のマスコミはどのように取り扱うのでしょうか? 勧告の時にようににプロパガンダ的なことを書くのか、報道しないのか、その媒体のスタンス次第だと思います。「文藝家協会ニュース」にも載せましたが、私が受けた加害者への謝罪勧告というものとは明らかに違う、法務省のプロパガンダ的な記事を、同じ表現者であるはずのある新聞記者が、私に直接取材もしないで掲載したことに非常に失望しました。また、知り合いの外国人のジャーナリストから、そのような報道の仕方は信じられないと言われ、日本のジャーナリスムの未熟さを指摘されました。
マスコミは行政を常に監視することが義務であり、市民はマスコミからの情報開示に期待していると思います。行政に監視されるマスコミになってはいけないのです。昨今の閣僚の政治資金や行政官僚の資金供与などをまずは追求すべきで、行政のプロパガンダにはなってはならないのではないでしょうか。
公正な立場からの報道を強く望みます。
草薙厚子
チクリンちゃんを花屋で目が合って、家に連れてきてから1カ月が過ぎました。しかし、昨日、形が変わっていることに気がつきました。前の日までは全く正常だったのに。だんだん萎んできたようで、とても心配です。明日、買ったお店に持って行って聞いてみようと思います。前のと比較してみて下さい。明らかに病気でしょうね。
そんなこんなで、昨日のことも書かないで過ぎてしまいました。昨日は幾つかの有意義な打ち合わせをしていました。ランチミーティングは美味しい食事そっちのけで話し込んでしまいました。遠方からの新聞記者さんがわざわざいらっしゃって情報交換。話に花が咲きました。家に帰ってから戴いたおせんべいとゼリーを食べたらこれが美味しい!!甘くもなく塩辛くもなく、ワインと一緒にいただきました。
さて、ワインと言えば、フランス通の人によると、現地で飲むフランスワインには酸化防止剤が入っていないと言うのです。今回、手に入ったフランスワインのラベルには日本の輸入元を通していないため、それらしきことは書かれていません。この手に入ったワイン、酸化防止剤が入っていないと思うと、とても美味しく感じたのですが、今日、実はどのワインにもクレジットはされていなくても酸化防止剤が入っているとのことです。日頃、アレルギーなどもあり、無農薬の野菜やお米、国産の天然魚、国産のお肉にこだわっているので、ワインまで無添加などと考えるようになりました。日本産でも無添加のワインはあるんですけどね、ちょっと....。いちいち食品に目くじらを立てるのではなく、のほほんと生きたいのだけれど、結局は自給自足しなければ無理のような気がします。
今日は、小雨の降る中、取材に出かけました。帰りに新宿の本屋さんで、偶然、ノンフィクション作家の仲間と会ったのでびっくり!! 驚いて話に夢中なり、買おうと思っていた本を買わずに終わってしまいました。まあ、明日にでも買いましょう! 話は戻ります。ガンバレ、チクリン!!
草薙厚子
親が子を殺し、子が親を殺す時代。先日、山口県で16歳の高校生の孫が祖父を殺害し、遠くはなれた秋葉原で万引きをしたことが切っ掛けで、逮捕されたのです。少年は「素直でまじめ」(校長)という評判。またもや「普通の子ども」の凶悪事件が発生してしまいました。しかも、祖父から「ゲームをしないで勉強しろ」と注意されたという、ささいな動機が引き起こした事件です。祖父はその少年のことを思って言っているにも関わらず、「うるさいから殺害する」と短絡的に殺してしまったのです。そこに至るまでに、家族で話し合いを持つことが出来なかったのでしょうか。とても残念です。
「おじいちゃん、おばあちゃんを大切にしなさい」と、親や親戚から言われて育った私たちの世代には考えられないことです。そういえば、「目上の人を敬う」という子どもが減っているように思えます。ここ数年、大学生が沢山利用する路線で、電車に乗っている際、大学生は老人が乗ってきても席を譲ろうとしないのです。それより、かき分けて自分の席を確保し、椅子から滑り落ちるようなだらしない格好で携帯に目をやりながら、足を広げ周りを気遣おうとしないのを頻繁に見かけます。また、小さい子どもを連れているお母さんも、いち早く、椅子を確保しようと子どもを走らせたりと、目上の人への気遣いなど微塵もありません。子どもが席に座ると、外の景色を見るために窓の方を向かせるのは良いのですが、靴を脱がせないため、靴の裏が隣の人のスカートや鞄に当り、それを知っても謝りもしないのです。電車は公共の乗り物だということを忘れているのかと思ってしまいます。
残念ながら、逮捕された少年も勉強中心に教育され、我慢することなどの社会性は放任されていたようです。「普通の子ども」による凶悪犯罪に歯止めがかかりません。写真は今月号の「中央公論」での私の記事です。タイトルは「危うい、お受験ファミリー 親殺しの現場から」というショッキングなタイトルですが、内容に関しては今まで取材してきた事件の共通項と法則性を述べた記事です。是非、ご一読下さい。 草薙厚子
さて、ここはどこでしょうか? ホテルの待合室から見えた海の景色です。答えは竹島(たけしま)です。竹島は愛知県蒲郡市の三河湾に浮かぶ小島。三河湾国定公園の中核にあります。とにかく今日は暑いという言葉を口にするのも嫌なくらいHeat Waveな一日でしたが、そんな中、今日の講演に参加して頂いた皆様、本当にありがとうございました。帰りはお土産に懐かしの赤福を買いました。賞味期限は明日まで。さていくつトライしようか、考え中です(笑)。 草薙厚子
長らくお待たせしました。お盆休みも無事に終わり、仕事に復帰しております。早速明日は講演で出張のため、準備に追われています。そんな中、今日は打ち合わせが終わった後、辛いパスタで気合いを入れることにして、ボンゴレ・ロッソを注文。休み開けと暑さで参っていた体に刺激を与えました!! これが絶品。疲労も回復しました。そんな中、ニュージャージーに住む友人からメールが届きました。もうセーターを着ているとのこと。実はフランスでもセーター、いやコートを着ている人さえいるとのこと。夏が全くなかった国と、残暑が厳しいまま夏を越す国。本当はどっちが住みやすいんでしょうか?? きっとお互いがお互いをうらやましく思って夏は終わるのでしょうねえ…… 草薙厚子
今日は一日原稿書きでした。途中、予約を入れていたので髪を切りに行きました。外に出て息を吸い込んだ途端、モワーンとした生温い外気で気分が悪くなりました。うーん、こんな気候が続くようでは、街が蒸し、山が燃え、海が干上がっていくのがわかるような気がします。地球温暖化というのは自分の毛穴や肺で感じるもので、決してデータや報道だけで感じるものではありませんね。そして夜、家に戻ってチクリンちゃん(サボテンの一種)を見たら、なんと、針が買ったときより大分伸びているではありませんか!! 今後あまり伸びるようでしたら、行きつけの美容師にカットしてもらうことにします(!)
草薙厚子
自民党惨敗、しかし、安倍首相続投。誰もが何故?と思ったことでしょう!有権者がこの政権に突き付けた事実上の不信任は、そんなに軽いものだったのでしょうか。確かに、首相指名権は衆議院にあり、与党が3分2以上占めている衆院であると言われればそれまでですが、国民は安倍首相続投にNOを突きつけたことは間違いなでしょう。衆院の与党の数が多いから何でもありとするやり方、民意を軽視しているように思います。
取材にきています。私のエネルギー源です。