カンボジアの支援を続けている高松市のNPO法人「セカンドハンド」がこのほど、同国プノンペン市保健局西部管区のイム・ソーチャット局長(56)を招き、高松市番町1のアイパル香川で講演会を開いた。約30人が参加、イム局長は「世界には貧しい人がたくさんいる現状を知ってほしい」と涙ながらに訴えた。
イム局長は、プノンペン市の保健管区で最大規模の人口約34万人を擁する西部地区について紹介した。同地区は政府が進める市中心部の開発の影響で貧困層が増加傾向にあると説明。そのうえで、産科病棟の設立や、予防接種の普及で以前より状況は好転したものの、交通事故の多発や、医療器具が不足しているなどの課題を挙げ、「地域を巡回するたびに『先生、助けて』と言われる。やっと平和が戻ってきたがまだまだ保健医療の課題は多い。少しでも支援していただければありがたい」と訴えた。
また、現地に駐在している五十嵐仁さんは、同地区には救急車が1台しかないことなどを指摘し、「けが人や急病患者への救護のためのボランティアを強化したい」と話した。参加した高松高2年の井上絹子さん(17)は「日本との格差を一番感じた」と話していた。【三上健太郎】
毎日新聞 2007年11月1日