発掘関連の取材ではしばしば中国や朝鮮半島からの影響について聞かされる。そんな中、最近読んで考えさせられたのが古代における日本(当時は倭国)と朝鮮半島との交流を著した「加耶と倭」(講談社選書メチエ、朴天秀さん著)だ。
任那日本府や朝鮮半島にある前方後円墳などについて、日本以外に韓国の考古学的成果も駆使して分析しているのが特徴で、日本の王権の変動にも、朝鮮半島との交流が影響していることを示唆していて面白かった。
独りよがりな歴史観を振り回す識者が増えているように感じる中で、外から見ると日本がどう見えるか、と考えることの大切さを改めて思った。(大森)
毎日新聞 2007年11月1日