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「逆911番」で大量避難、焼死者減る 米山火事

2007年11月01日10時52分

 米国で火事や泥棒などの緊急時にかける電話番号が911。だが今回のカリフォルニア州南部の山火事では、警察当局から各家庭にかかってくる「逆911番」が功を奏し、大勢の住民避難に役立ったとして話題になっている。

 今回の山火事で一番、被害の大きかったメキシコ国境近くのサンディエゴ郡。ネイテ・マカウスキーさん(69)の自宅の電話が鳴ったのは出火2日目の夕方だった。「これは避難命令です。至急、避難してください」

 自動音声の電話は郡警察のコンピューターからだった。郡警察によると、火事の行方を見極めながら危険地区を選び、一帯のすべての家に電話をかける仕組みだ。40万軒にかかった。

 「火は遠くで燃えていると思っていたから驚いた。数日分の衣類だけカバンに放り込んで逃げ出し、家族も家も無事だった。本当に助かった」とマカウスキーさん。

 03年の大規模山火事で同郡だけで17人、州全体で約20人の焼死者を出した反省を踏まえ、05年に郡警察が導入。おかげで「今回は03年時の10倍にあたる50万人以上を避難させた」(郡当局)。焼失面積は03年とほぼ同規模だったが、焼死者は3人にとどまり、郡警察のブラスト次長は「とてもうまく機能した」と評価する。

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