2008年度の診療報酬改定について厚生労働省は10月31日、中央社会保険医療協議会の基本問題小委員会(会長=土田武史・早稲田大商学部教授)に対し、湿布や点眼など医師でなくても行える処置の点数を外来の基本診療料(初再診料)に包括化する方針を示した。
厚労省によると、現在の診療報酬点数表「第9部 処置」の中には、医師による診断と適切な指導があれば患者本人や家族でもできる処置が含まれている。このため、次期診療報酬改定では特別に診療報酬上で評価せず、初再診料に含めて評価する。
包括化される処置は、「皮膚が赤くなる程度の熱傷で狭い範囲のもの」「狭い範囲の軟膏塗布」「点眼、洗眼、片眼帯」「湿布の貼付」――など。
質疑で、鈴木満(日本医師会常任理事)は「本当に患者が自分でできるのだろうか。眼は感染性疾患もあるので、『自分でやってください』と言われた患者は不安にならないだろうか。器具やガーゼの滅菌も必要なので、非常に不安が残る」と述べ、慎重な対応を求めた。
竹嶋康弘委員(日本医師会副会長)も「やはり強調したいのは感染を誘発するということ。私は外科系だが、傷があれば消毒した上でガーゼをする。数日して感染のおそれがなくなったら自分でやってもらっている。洗眼も患者にできるだろうか」と指摘した。
これに対し、厚労省保険局の原徳壽医療課長は「医療上必要なものはやってもらっていいが、やっても外来基本料の中に読み込むという意味だ。患者さんができないのに『やれ』ということがあってはならない」と説明した。
小島茂委員(日本労働組合総連合会生活福祉局長)は「本人にやれということではなく、初再診料に含めるという提案だろう。確かに、医療の効率化や診療報酬のメリハリは必要だ」と厚労省の方針に理解を示した上で、「これらの点数をすべてなくした上で初再診料に含めていいのか、ここは議論が必要だろう」と付け加えた。
土田会長は「おそらく効率化の視点からの提案だろう。医療行為として行わないということではないので、その点を確認していただきたい」と理解を求めた。
更新:2007/11/01 キャリアブレイン
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