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三木聡監督の新作「転々」は男2人が東京を西から東へと歩き続ける“お散歩”ムービー。東京っぽい人気スポットが出てこないところが、三木監督らしい。「お台場とかは、『ロスト・イン・トランスレーション』など他の映画で描かれていますから。上野や浅草は子供の頃に、父親に連れていかれた場所でもあるんです」。ロケ地にまつわるエピソードは、特設「転々」開運MAPを参照あれ |
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三木監督はリハーサルを繰り返すことで有名だが、新宿での群集シーンは一発撮りに挑むなど、これまでとはひと味違う趣きの作品に。「新宿のシーンは長玉(望遠レンズ)、長回しを使い、ドキュメントっぽい不確実要素を取り入れました。そういう状況でのオダギリジョーさんの集中力は頼もしかった。『図鑑に載ってない虫』が計1300カットだったのに対して、『転々』は800カットなんです」 |
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大学8年生の文哉(オダギリジョー)は借金取りの福原(三浦友和)に誘われて、吉祥寺から霞ヶ関まで歩いていくことに。世代も違い、お互いのことを詳しく知らない2人だが、一緒に歩いていくうちに友情とも同情とも言えない、ビミョーな感情が芽生えていく。同じものを見て、笑ったりドキドキできる関係って大事かも |
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“幸運を呼ぶ”と噂の岸部一徳。文哉と福原、スーパー3人組(岩松了、ふせえり、松重豊)を結ぶ“やじろべえ”的存在として度々現れる。「ドラマに直接関係ない第3者が、主人公たちの幸・不幸の鍵を握るという構造です。『マルコヴィッチの穴』(’99)がジョン・マルコヴィッチでしか成立しなかったように、この役も岸部さんでなくてはならなかった」 |
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一見、平凡な一家の夕食シーンに見えるが、家族の温かさを知らない文哉にとってはレア体験。“家族”で食べるカレーライスがこんなにも美味しく、こんなにも切ないとは。「磯見俊裕さんは、映画美術の第一人者。どうせつくるならと磯見さんら美術チームがとても美味しい手づくりカレーをつくってくれたんです」と三木監督、絶賛! |
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アメリカン・ニューシネマの傑作「スケアクロウ」(’73)を彷佛させる男2人旅だが、三木監督の手にかかると文哉と福原が道中で遭遇するのは、どこか妙チクリンなものばかり。のんびり歩けば、東京はおかしなものに満ちた笑える街だったのだ。エンディングもニューシネマっぽい「えっ?」というフィニッシュ ■「転々」は、11月10日(土)より、アミューズCQN、テアトル新宿他にて公開 ©2007「転々」フィルムパートナーズ |
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【三木聡監督プロフィール】 1961年神奈川県生まれ。バラエティー番組の構成作家としての活動と平行して、舞台「さまよえるオランダ人」(89年)などシティボーイズ・ライブの作・演出を長年手掛けていたが、「ウルトラシオシオハイミナール」(2000年)を最後に映画・TVドラマの分野にシフトチェンジ。2002年「優香座シネマ お湯は意外とすぐに沸く」(テレビ朝日系)、2003年「演技者。 いい感じに電気が消える家」(フジテレビ系)、2003年「東京少女 臭いものに蓋の日」(BS-i、BSフジ)などのドラマを脚本・演出。2006年「時効警察」、2007年「帰ってきた時効警察」(ともにテレビ朝日系)シリーズでもメーンの脚本・演出を務め、「時効警察」では12.1%(第2話)、「帰ってきた時効警察」では13.5%(最終話)と深夜11時台の枠ながら好視聴率を記録した。映画監督として、2002年に撮影した「ダメジン」(2006)、「イン・ザ・プール」「亀は意外と速く泳ぐ」(ともに2005)、「図鑑に載ってない虫」(2007)と意欲作を立て続けに発表。三木監督の少年時代の記憶が色濃く投影された「図鑑に載ってない虫」のDVDは11月23日(金)よりリリースされる。
【STAFF&CAST】
原作:藤田宣永 脚本・監督:三木聡 出演:オダギリジョー 三浦友和 小泉今日子 吉高由里子 岩松了 ふせえり 松重豊 岸部一徳 笹野高史 石原良純 鷲尾真知子 広田レオナ 津村鷹志 宮田早苗 石井苗子 横山あきお 平岩紙(2007/スタイルジャム)101分
>> 公式サイト |
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予告編[転々]
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三木聡監督インタビュー(6分13秒) [転々]
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吉高由里子インタビュー(5分14秒) [転々]
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完成披露舞台挨拶(5分42秒) [転々]
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