伊豆の国市長岡の順天堂大静岡病院で函南町の女性(当時34歳)が死亡したのは、手術後の注意義務を同病院が怠ったためとして、女性の遺族らが31日までに、病院を経営する学校法人順天堂(東京都文京区)に対し、約1億500万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁沼津支部に起こした。
訴状では、女性は鼻血が止まらず、06年2月に同病院に入院。同年3月、出血を抑えるために右足の付け根からカテーテルを挿入して血管をふさぐ物質を注入する血管塞栓手術を受けた。術後、止血のため右足のつけ根を重しで圧迫されて17時間ベッドで寝かされた。手術翌朝に歩いたところで倒れ、3日後に肺こうそくで亡くなった。
原告側は「血管塞栓手術では血の固まりができやすく注意が必要なのに、病院が漫然と長時間の安静を指示したため、大量の血の固まりができて肺に詰まった」と主張。同病院は「訴状を見て対応を検討中だ」と話している。【山田毅】
毎日新聞 2007年11月1日