◇高裁判決
急性肺炎で入院した娘に後遺症が残ったのは、小牧市民病院の医療ミスが原因だとして、県内の両親が同市を相手取り、約1億6600万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が31日、名古屋高裁であった。青山邦夫裁判長は、医師の過失と後遺症の因果関係を認定し、市に約1億3400万円の支払いを命じた1審名古屋地裁判決を支持、市側の控訴を棄却した。
1審判決によると、当時12歳だった娘は、99年11月15日に急性肺炎で入院、同月17日、抗生物質の投与後にショック症状を起こして一時は心肺停止状態に陥った。血液循環のための輸液量が医学的に求められる量より大幅に少なく、急性循環不全による虚血性脳症を発症し、視力障害や手足のまひなど後遺症が残り、生活に介護が必要となった。1審判決は「輸液量が適切であれば後遺症は回避できた」と認定した。【石原聖】
毎日新聞 2007年11月1日