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人口減で地域存立の危機 少子化白書が警鐘 '07/10/19

 政府が十一月二日に閣議決定する「二○○七年版少子化社会白書」の全容が十九日、明らかになった。新人口推計に基づき、五五年には日本の総人口が九千万人を下回り、国民の約二・五人に一人が六十五歳以上の高齢者になることを指摘。「人口減少社会の到来」に伴い「過疎地では防犯、消防などの自主的な住民活動や、集落という共同体の維持さえ困難な状況になり、地域の存立基盤にもかかわる問題が生じる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

 対応策では、社会全体でワークライフバランス(仕事と家庭生活の調和)の実現に取り組むことや、子育て支援など少子化対策への効果的な財政投入の必要性を強調。

 年金や高齢者医療費、介護費が増大する中で社会保障制度の破たんを避けるため「高齢者に対する給付内容の見直しや、給付と負担の均衡措置を講じていかねばならない」とも明記した。

 また、生産年齢人口(十五―六十四歳)が今年の八千三百一万人から五五年には四千五百九十五万人になり、総人口に占める割合が51・1%まで低下するとの予測を引用。労働力確保に向けて「若者、女性、高齢者ら働く意欲を持つすべての人々の就業参加を実現」することが不可欠とした。

 少子化の背景にある晩婚、晩産化をめぐっては(1)平均初婚年齢(○六年)は夫三○・○歳、妻二八・二歳(2)子供を産んだときの母親の平均年齢(同)は第一子が二九・二歳―で、いずれも前年から上昇しているとのデータを紹介。○六年は出生数、合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子ども数の推計値)とも六年ぶりに増加に転じたが、「今年に入って出生数は前年に比べて減少傾向にあり、楽観できない状況」と戒めた。




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