来年4月に開所予定の高山村の新保育園工事が工事を落札した3社のうち建築本体を受け持つ建設会社が倒産したため、中断していることが29日、分かった。同村では「早急に別な業者に引き継いでもらい、来春の開所には間に合わせたい」としている。
高山村では老朽化と少子化に伴い、村内にある二つの保育園の統合を決定。来年度から高井保育園に隣接する同村高井に新保育園(約1700平方メートル、定員195人)の建設に着手した。
今回の工事では、実績や資格等を元に発注者で絞る「指名競争入札」から、一定の要件を満たし落札した1社だけが事後に審査を受ける「受注希望型入札」で実施した。経費削減を目的に、県の入札方法に準じて村では初導入。入札には8社が参加し、建築本体は瑞穂建設(木島平村)が3億3600万円で落札した。入札予定価格に対する落札率は84・56%だった。
しかし、今月に入って同社が倒産。本体工事は3割程度進んだところででストップした。骨組みは完成したが屋根は未完成のまま。電気・機械設備を受け持つ2社の工事にも、トイレの設置ができないなどの影響が出ているという。同村の教育委員会子育て学校教育係では「入札の際の条件や書類もそろっていた。このような事態になり、大変驚いている」と話している。本体工事の契約条件に完成補償(約1億円)が含まれており、現在、損保会社が工事を引き継ぐ業者を選定しているという。【谷多由】
10月30日朝刊
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