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県立奈良病院の医療過誤訴訟:障害残った女性と和解 県、因果関係否定できず /奈良

 ◇282万円で

 県立奈良病院の医師が体内に残したガーゼを取り除く際に、誤って交感神経を傷つけ右足に障害が残ったとして、奈良市の女性(40)が県に慰謝料など約970万円の損害賠償を求めていた訴訟が30日、奈良地裁(坂倉充信裁判長)で和解した。県はガーゼ除去手術と障害の因果関係を否定できないとして、282万円の和解金を女性に支払う。

 訴状によると、女性は01年10月、同病院で帝王切開の手術を受けた際、医師がガーゼ2枚を体内に残した。女性はその後、定期的に腹痛を起こすようになり、手術を担当した医師らはガーゼの置き忘れを認めた。05年11月に除去手術をしたが、誤って交感神経を傷つけた。

 和解を受けて原告側は「本件が現在の県の医療制度に対する警鐘となることを願っている」とコメント。川辺宇佐治県医大・病院課長は「ご迷惑をかけたことについて、改めておわびしたい。今後、安全で安心できる医療を提供できるよう万全を期したい」とコメントを出した。【石田奈津子】

毎日新聞 2007年10月31日

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