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空自機炎上 機長「離陸に失敗した」 事故調を設置

2007年11月01日00時45分

 愛知県の県営名古屋空港で航空自衛隊の支援戦闘機F2Bが離陸に失敗、炎上した事故で、防衛省は31日夕、事故調査委員会を設置し、空自の事故調査官らを現地に派遣した。

 同機は離陸した直後に機首が下がり、滑走路に激突した。機長の永田恵嗣さん(52)は入院先で「離陸に失敗した」と語ったという。

 近くで事故を目撃した民間の整備士によると、機首は離陸時に通常より上がって見え、10メートルぐらい浮いたところで急に下がった。三菱重工業によると、同社が定期点検していた事故機は、地上で各種試験に合格し、飛行試験に入っていた。

 元日本航空機長の諸星広夫さんは「離陸直前にエンジントラブルで推力が急に落ちたのでは」とみる。何らかの異常に気づいたパイロットが、滑走路の残り距離から大丈夫だと判断し、急に推力を絞って降下しようとした可能性もあるという。

 航空・軍事評論家の青木謙知さんは「現時点では、操縦ミスか整備ミスかわからない」と言う。「速度が十分でないまま離陸しようとしたか、速度を測るセンサーが故障していた可能性が考えられる」と話す。

 航空・軍事評論家の野木恵一さんは「パイロットの操縦ミスならば、機首から突っ込むような形ではなく、機体後部が尻餅をつくような形で落ちるのではないか」と話す。現時点では、操縦系統に異常があったのではないか、と考えている。

 防衛省の事故調は、離陸時のパイロットの判断状況などを聞き取るほか、レコーダーやパイロットと管制塔との交信記録、機体の異常の有無などを確認し、事故原因を特定する。F2は、三沢基地(青森県)などに事故機を除いて74機が配備されているが、当面は運航を自粛するという。

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