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不用な入れ歯、世界を救う

2007年10月31日

 不用な入れ歯で世界の子どもたちを助けよう――。埼玉県のNPO法人が始めた運動が全国に広がり、神奈川県内で初めて大和市保健福祉センターに、入れ歯回収ボックスが置かれた。入れ歯から貴金属を取り出してリサイクルし、収益金の一部が日本ユニセフ協会に寄付される。

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入れ歯回収ボックス(日本入れ歯リサイクル協会提供)

 NPO法人・日本入れ歯リサイクル協会によると、入れ歯には金、銀、パラジウムなど、1個当たり平均で2500円相当の貴金属が使われている。専門業者にリサイクルを依頼すると、収益が生まれるという。

 同協会は歯科技工所の役員を務める三好勇夫さん(63)が、歯科大学の助教授から「入れ歯が捨てられているのはもったいない」と聞いたことがきっかけで、昨年12月に発足したばかりだ。

 協会が独自に回収しているほか、千葉県鎌ケ谷市を第1号に、これまでに国内13カ所の公共施設に回収ボックスが設置され、収益は少なくとも1000万円を超えた。

 回収ボックスで集められた入れ歯については、収益のうち45%が日本ユニセフ協会、45%が社会福祉協議会などに寄付され、残る10%がNPOの運営費になるという。

 今回は大和市社会福祉協議会から設置の要望があり、実現した。今後、綾瀬市でも設置が予定されているという。

 三好さんは「亡くなった親や夫の入れ歯を捨てられず、机の引き出しにしまっていた、というような人が予想以上に多かった。世界の子どもの役に立つのならと、皆さん喜んで協力してくれる」と話す。

 入れ歯は熱湯や洗浄剤で消毒した後、紙に包んでポリ袋に入れる。

 回収ボックスがない地域については、郵送(〒350・8799 川越郵便局留め 日本入れ歯リサイクル協会)でも回収している。

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