ゾンビ映画サントラ館
『スペースバンパイア』(完全版) | |
トビー・フーパー監督のSFゾンビ映画『スペースバンパイア』の完全版サントラ盤。以前リリースされていたバージョンは、主にヘンリー・マンシーニが作曲したスコア中心で構成されていましたが、今回のは、アシストしているマイケル・ケイメンが作曲した追加スコアも収録されての2枚組完全版仕様でのリリース。なので、全46曲・約140分にも及ぶ大エクスパンデッド・エディションになっております。その通常盤を紹介した際に「いずれ完全版も出るかも…。まぁそれはナイでしょう…」と言ってたんですが、本当に出てしまうとは、イイ時代になったものですなぁ(笑)。 当然ながら、以前リリースのアルバム・バージョンの曲も完全にカバーされている他、ボーナス・トラックとして未使用の“ダメージ曲”も収録されている豪華版で、これ1枚(2枚組ですが…)で、『スペースバンパイア』のスコアは全て堪能できるという訳ですね。とにかく、全編、ノリノリのド派手なオーケストレーションの連発で、映画の高揚感を存分に高めてくれておりまして、例の有名なテーマ曲(テレビ番組等でもお馴染み)以外は、完全に劇伴に徹している為、本編に慣れ親しんでいない人にとって、音だけで楽しむというのには、ちょっと無理があるようにも思いますが、それでも、この映画が好きだというマニアには、避けて通れぬサントラだと思われますデス。 マンシーニの曲とケイメンの追加曲とが、ハッキリ分かるように構成されているのも親切で、やはり、映画に流れたスコアが漏れなく全て聴けるというのが完全版の魅力ですね。個人的には、ディスク2の3曲目が好きです。映画のラスト・シーンからエンド・クレジットに移るタイミングが絶妙で、思わずテーマ曲を口ずさんでしまいますな。 という事で、3000枚のみの限定発売なので、お買い逃しのないように。 |
『ゾンビ3』 | |
悪名高きイタリアン・ゾンビ映画の迷作。当時粗製乱造されたゾンビ映画の1本で、当初はサイテー映画扱いもされていましたが、今観ると、結構オツな出来に仕上がっているのは、その後に作られたゾンビ映画がよりサイテーだった為でしょうか。つまり、この映画の方がまだマシだった…というオチですね。マイコー少年と母親とのアブない関係も見所だし…。 で、こんな映画にもサントラがありました。…というのはウソで、実は、前々から気になっていたんですが、この映画のゾンビ・シーン(笑)のバックに、何処かで聴いた事のある曲が流れていまして、この映画を観る度に、それが何だったか、思い出せないでいたのでしたが、別箇所で紹介しているこのサントラを聴いていて納得。そう、これは、その映画のサントラからの転用(流用)だった訳ですな。で、しかもこの映画だけではなく、『ドラゴンへの道』にも流用(あの映画の場合は、モリコーネの『ウエスタン』なんかも堂々と使ってましたからね・笑)されてるのを思い出し、何処かで聴いた事のある…というのは、この事だったんだと、妙に納得したものでした。なので、実際の音楽担当は、ギル・メレになりますな(笑)。 ともあれ、マイコー少年とその母親の冥福を祈りつつ、これを聴くのも宜しいものかと。 |
『サンゲリア』【アーカイバル盤】 | |
そしてコチラが、下記の『ゾンビ』と同時にリリースされた『サンゲリア』のアーカイバル盤。“アーカイバル”とはどういう意味なのかというと、“超大容量”という意味ですな。つまり、以前のサントラ盤より遙かに沢山の、そして長い曲が収録されているという“完全盤”でもあるという事ですな。 具体的に言うと、以前紹介したコミック・ブックに付録として付いていた完全版サントラの流用って感じでして、若干収録されている曲目が違う所を除けば、それに次ぐ“準・完全盤”という感じになっています。 コミック・ブックが既に絶版になってしまった今、せめて音だけでも“完全に”浸りたいという方には、是非お薦めしたいサントラであります。後半登場するインプレッション曲など、映画にリスペクトした内容が泣かせてくれまっせ! |
『ビヨンド』【コミック・ブック封入完全版】 | |
またしても『ビヨンド』。しかしこれは、今までリリースされたサントラと違い、アメリカで出ているコミック・ブックに付録で付いていた物。ようするに、下の方で紹介している『サンゲリア』の完全サントラ盤の『ビヨンド』バージョンっていう訳。 従って、これも完全版仕様になっております。通常のサントラには収録されていない曲がテンコモリで、これでもか、これでもかと、ファビオ・フルッツィのビヨンド・サウンドを堪能する事が出来るんですな。 通常盤が11曲に対して、コチラは3倍の33曲も収録されている、マニア必聴盤。中でも、「ジョーを探して」や「スパイダー・アタック」等、見せ場を想起させる未発表曲が多いのが、何とも嬉しい1枚であります。 このサントラを聴きながら、コミック(こちらも過激で面白いです!)を読んでいると、DVDで観るのとはとはまた違った『ビヨンド』が楽しめますよ! |
『悪魔の墓場』 | |
そしてこれが、日本で公開された、一番最初のカニバリズム・ゾンビ映画の決定版としても有名な『悪魔の墓場』のサントラ。やはり、ドイツでリリースされた500枚限定盤。なので、タイトルもドイツ語(ゾンビの侵略…?)になっているので、一見ちょっと判別しにくいもの。 劇場公開時に日本でリリースされていたサントラと比べると、若干収録時間が短くなっているようで、細かく比較してみると、どうやら日本盤に収録されていたセリフが入った部分がなくなっている模様。おそらく、権利問題の為だと思われるが、逆に言うと、当時の日本のサントラ・メーカーが、好き放題していたという訳だろう。 映画のフィルム・サウンドトラックから、直接セリフや効果音をレコード化するというのは、特に東宝レコードのお得意分野だった訳で、当然ながら、権利にうるさい海外では、なかなか難しいのだと思われる。これが出る前に、イギリスでもサントラCDがリリースされていたようで、どうやらそれは『地獄の門』とのカップリングだった模様。 音楽はジュリアーノ・ソルジーニで、これまたゾンビ映画とは思えない軽快でリズミカルな曲が多いのが特長。因みに、ゾンビのうめき声や悪魔(?)の叫び声などは、ちゃんと収録されている。 |
『ビヨンド』 | |
続いて『ビヨンド』。表ジャケット(&アウターケース)は英語で書かれているが、裏ジゃケットやライナーノート、それにディスク面等は、全てイタリア語という、外側だけアメリカ製のようにしたもの。 他にも『墓地裏の家』とのカップリング盤も出ているが、そっちは『ビヨンド』だけ、曲が少なくなっているので、完璧を求める方は、こちらの方をお薦め。音楽はやはり、ファビオ・フルッツィ。 |
『サンゲリア』【コミック封入完全盤】 | |
こちらの『サンゲリア』は、30曲タップリ収録された完全盤。実は、コミック・ブックに付録で付いていたもので、メインはコミック本の方で、CDは付録みたいな扱いなのですが、しかししかし、そのサントラCDが、今までにない曲も収録された完全版仕様になっているのが嬉しいですな。 30曲中、実質的なサントラは前半の13曲だけで、後は予告編やラジオ・スポット、イメージ曲で構成されている。下記のカップリング盤には入っていなかった「アイボール」という、目玉串刺しシーンに流れる曲が入っているのが嬉しいでんな。音楽はファビオ・フルッツィ。 |
続いては、ルチオ・フルチのゾンビ映画から、まずは、これも定番『サンゲリア』。これは『人喰族』とのカップリングという、恐ろしい組み合わせのカニバルCDになっているサントラ。 両作品ともいきなり予告編のサウンドから始まるという嬉しいサントラだが、『サンゲリア』の方は、13曲中、サントラは実質5曲(それ以外は、トリビュート・スコア)という構成で、ちょっと寂しいところ。でも、『人喰族』はタップリ楽しめる。 |
『ゾンビ』【20周年記念盤】 | |
こちらは『ゾンビ』の20周年記念完全特別盤。通常の10曲以外に、テーマ曲の別バージョンや、実際の映画には使われなかった曲等…の7曲のボーナス・トラック追加されている。中でも、「ゾンビの声」と題された最後の曲が聴き物。しかして、その実態は…!? 一応ゴブリンのアルバムになっているので、「ロメロDC版」に使われている曲は収録されていない。 |
『ゾンビ』&『シャドー』【カップリング盤】 | |
まずは定番ロメロの『ゾンビ』。これは同じゴブリンという事で、アルジェント監督の『シャドー』とカップリングされたサントラ。両作品合わせて11曲収録なので、『ゾンビ』からは6曲しか収録されていない不完全盤。 でも、主要な曲はちゃんと入っているので、ちょっと聴いてみたいという人にはお徳用盤かも…!? |