■人道主義者 布施の生き方伝えた |
2007.10.31 |
女川四中生 創作劇を熱演
ゆかりの人ら感動「良い劇 ありがとう」/
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女川四中(千葉繁校長、生徒十六人)の文化祭が先日、同校であり、石巻市蛇田出身の弁護士・布施辰治(一八八〇−一九五三年)を顕彰する創作劇「未来への架け橋」が披露された。生徒は、人道主義者として知られる布施の生き方を懸命に演じ、鑑賞に訪れた布施ゆかりの人たちから、賛辞の言葉が贈られた。
劇は、ある中学生が布施の生き方を学びながら、いじめのないクラスづくりを目指すという内容。「小学生にも分かるように」(同校)と、まじめな場面だけでなく、お笑い芸人のギャグも取り入れるなど、展開に工夫を凝らした。
劇の終了後、布施の孫で日本評論社会長の大石進さん(七二)=鎌倉市=は「良い劇をつくってくれてありがとう」と、ステージ上で生徒に感謝の気持ちを述べた。
同校が八月の修学旅行で東京を訪れた際、生徒から劇の招待を受けた大石さんは、子ども時代、猫をいじめていたら、布施から悲しい顔をされたエピソードを披露。「怒られるよりも、心に響いた。弱い者をいじめてはいけない気持ちになった」と振り返った。
韓国で布施の活動を顕彰する市民グループチョン・ジュンヨン代表(六八)は、劇を鑑賞するため来日。「東洋のシンドラーと言われる布施の劇は素晴らしかった。多くの人に感動を与えてくれた」と話した。
布施を演じた三年の石森友耶君(一四)は「満点の出来だった。布施の生き方を地域の人に伝えることができた」と喜んだ。
布施 辰治(ふせ・たつじ) 1902年に明治法律学校(明治大の前身)を卒業。司法官試補として宇都宮地裁に勤務したが、半年で辞職した。05年、東京・四谷に弁護士事務所を開業し、人権と思想の自由を守るため弁護活動に献身。2004年に日本人として初めて韓国の「建国勲章」を受賞した。 |
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