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路上たこ焼き店主、番組で名誉棄損 毎日放送に賠償命令

2007年10月31日

 路上でのたこ焼き販売を巡る近隣者とのトラブルで事実と異なる報道をされ、名誉を傷つけられたとして、兵庫県宝塚市の女性が毎日放送(MBS)に1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、神戸地裁であった。栂村明剛(つがむら・あきよし)裁判長は「番組の重要な部分が真実との証明はなく、名誉棄損にあたる」と判断。隠しカメラなどを使った取材手法についても「女性の本心を聞き出す唯一の手法だったと認めるに足りない」として、同社に慰謝料40万円を支払うよう命じた。

 判決によると、女性は03年5月から宝塚市の駅前で軽自動車を屋台代わりにしてたこ焼きを販売。近くの喫茶店主と駐車場所などを巡ってトラブルになった。MBSは、女性の言動を隠しカメラとマイクで録画・録音し、05年5月の報道番組「VOICE(ヴォイス)」で放映。女性の言動で喫茶店が廃業に追い込まれたかのように報道した。

 判決は、「MBSは店側の話を聞いただけで、放送内容が真実と証明されているとは認めがたい」とした。隠しカメラなどでの取材についても、不可欠な事情がなく、みだりに自己の姿や発言を記録、公表されない自由を侵害したと指摘した。

 MBSは「心外な判決で控訴する方針。報道で名誉棄損などの人格権侵害はなかった確信している」とのコメントを発表した。

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