竹島問題で交流が途絶えていた鳥取県と韓国江原道の知事同士によるトップ会談が三十日、米子市内のホテルであり、江原道の金振※(キム・ジンソン)知事は、平井伸治鳥取県知事からの交流再開の申し出に対し、「江原道としても積極的に検討していきたい」と回答。二年半以上にわたって中断している交流の再開の方向を確認した。十一月中にも平井知事が韓国へ渡り、実現に向けた働き掛けを行う。
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交流再開の方向を確認し、握手を交わす平井知事(右)と金知事=30日、米子市久米町の米子全日空ホテル
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実現すれば二〇〇五年三月以来の再開となる。官民の往来促進の契機になると考えられ、休止問題が浮上している米子空港ソウル便の動向にも影響を与えそうだ。
会談で平井知事は「領土問題は国家間で速やかに解決すべき課題」と前置きし、平和や繁栄を目指す地方間の交流とはしゅん別すべきと強調。「交流再開を知事のリーダーシップにより導いていただきたい」と述べ、交流の実現を要請した。
これに対し、金知事は二年以上にわたる交流の中断を憂慮した上で、「江原道と鳥取県は十年以上にわたるかけがえのないパートナー。再開に向けて互いに努力していきましょう」と応じた。
一方で交流再開にあたっては「地方政府や議会、団体などの指導者が否定的な影響を及ぼす言動をしないことが前提」と指摘、鳥取県側の今後の姿勢に注文を付けた。
金知事は、境港市で関係五カ国の自治体首長らが参加して開かれる「北東アジア地方政府サミット」のために来県。三十一日の本会議を前に平井知事とのトップ対談に臨んだ。
会談終了後、平井知事は「認識は一致しており、交流再開に向けてほぼ道筋がついた」と強調。日程を調整した上で、早期に江原道を来訪し、交流再開を呼び掛ける意向を示した。
鳥取県と江原道は一九九四年に友好提携を結び、職員の相互派遣などに取り組んできたが、〇五年に島根県議会が「竹島の日」条例を制定。鳥取県議会でも竹島問題や日韓暫定水域での漁業問題の解決を求める意見書を国に提出したことを受け、金知事は交流事業の無期中断を表明していた。
※は先ヘンに先