携帯電話新規事業者の1社、アイピーモバイルが10月30日、東京地裁へ自己破産を申請。同時に総務省へ携帯事業免許を返上した。
同社は無線IP通信事業を目的として2002年11月に設立。2005年11月にソフトバンク、イー・アクセスとともに1.7GHz帯および2GHz帯での携帯新規参入事業者として認可され、2GHz帯を利用する「TD-CDMA」方式で参入を予定していた。
当初は2006年10月に運用開始予定としていたものの、筆頭株主が二転三転するなどし、経営体制も迷走。開業期限が11月9日に押し迫る中、10月24日に香港の通信事業者Distacomグループに支援を要請し、通信方式をTD-CDMAから「TD-SCDMA」に変更する旨の発表があったが、サービスを開始できるかどうかが懸念されていた。負債は債権者約110人に対し、約9億円。
香港のDistacomグループ、アイピーモバイルの支援で合意――通信方式は変更へ(2007年10月)
アイピーモバイルが新取締役2人を選任、筆頭株主の杉村五男氏が社長に(2007年10月)
アイピーモバイル、杉村会長をのぞく取締役が退任──事業立ち上げの具体策は示せず(2007年9月)
筆頭株主、二転三転──米NWと森トラスト、アイピーモバイルから撤退(2007年9月)
米NextWave Wireless、アイピーモバイルの筆頭株主に──森トラストが全株を譲渡(2007年7月)
アイピーモバイル、携帯事業は継続──資金調達のため筆頭株主交代(2007年4月)
アイピーモバイル、携帯サービス開始を来春に延期(2006年7月)
マシン・ツー・マシン狙いで2009年度黒字化目指す──アイピーモバイル(2005年11月)
ソフトバンク、イー・アクセス、アイピーモバイルに携帯免許認可(2005年11月)
アイピーモバイルが8.75億円増資〜総務省に免許申請(2005年9月)
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