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歯科治療と東洋医学融合をめざす若き女性歯科医
■ブラックジャックを探せ!
川﨑有香さん (34 )川﨑歯科医院(愛知県・北名古屋市)副院長
歯周病に代表される口腔(こうくう)疾患とメタボリックシンドロームや動脈硬化などの内臓疾患の因果関係が解明されつつある。歯周病治療をしただけで糖尿病の状態が安定するなど、その関係は想像以上に太くて強い。
今回紹介する川﨑有香さんは、歯科治療のかたわら東洋医学を学び、2つを融合したトータルな健康づくりのシステム構築をめざす若き女性歯科医。
祖父の代から歯科医院を開業する家の長女として生まれ、当然のように歯学部に進む。しかし、歯科医療を学ぶうちに「かみ合わせと体のゆがみ」の関係に興味を持つようになる。
「柔道整復から入り、針きゅうに進みました。その中で、東洋医学の考え方、特に『バランスを整える』というモノの見方に共感し、のめり込んでいきました」
6年前から実家に戻り、院長である父の下、やはり歯科医の弟と診療にあたる。現在は規制により、歯科医院内で整体や針きゅうなどの施術を行うことはできないが、将来的にこの分野を取り入れたクリニックづくりをめざして、いまも独自に東洋医学の勉強を続ける。
「私はあくまで歯科医なので、一般歯科をメーンとして取り組んでいくことは変わりませんが、東洋医学の視点を持ち込むことで歯科の見方も大きく変わってくることは確かです。さすがに虫歯は無理ですが、歯周病は東洋医学によるアプローチで対応可能な気がします。もっと勉強して、それを具現化できる診療体制を整えたいですね」
そう語る川﨑さんの夢が実現する日は、そう遠くではなさそうだ。
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かわさき・ゆか 1973年愛知県生まれ。97年日本歯科大学を卒業後、東京医療専門学校で針きゅうと整体を学ぶ。小島歯科医院、祥泉鍼灸(しんきゅう)接骨院勤務を経て2001年から現職。趣味はライブ観賞と自転車。(2007.10.12紙面掲載)