高齢者施設への「往診料」引き下げへ

 厚生労働省はこのほど、高齢者専用賃貸住宅や認知症対応型のグループホームなど、高齢者が多く生活する居住系施設に医師や看護師が訪問する場合の「往診料」を2008年度の診療報酬改定で引き下げる方針を中医協・診療報酬基本問題小委員会(委員長=土田武史・早稲田大商学部教授)に示した。

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 厚労省はこの日、社会保障審議会の「後期高齢者医療の在り方に関する特別部会」が10月4日にまとめた「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子」のうち在宅医療などについて診療報酬の方針を提示した。

 その中で、高齢者が多く生活する居住系施設への「往診」は、時間的・距離的な負担が少ないことなどを理由に「適正な評価としてはどうか」として、点数を引き下げる方向を示した。

 また、施設の患者に対する「診療」は往診料と別に算定できるが、「当該施設内で疾病の管理等の医療サービスが提供できる体制となっているか」という点を考慮して評価する方針。

 具体的には、高齢者専用賃貸住宅、認知症対応型のグループホーム、要介護高齢者を含めた高齢者の生活施設への「往診料(650点)」の点数を引き下げ、「在宅時医学総合管理料」の算定要件を見直す。訪問看護師など医師以外の医療従事者が訪問する場合の評価も同様にする。「特別養護老人ホーム」は、ここでの「居住系施設」に含まれない。

 「往診料」を引き下げる理由として、厚労省が「時間的・距離的な負担等が少ないこと等」を挙げている点について、同省保険局の原徳壽医療課長は「1つの施設に患者が複数いることが想定されるので、10人いるのなら、“10人まとめて診ればいい”という発想だ。1人しかいない施設があるかもしれないが、その場合は“割り切り”だろう」と説明した。


更新:2007/10/30   キャリアブレイン

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